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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
007話 ホレ薬の悪夢
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まい、影からしか守れないということしかできない臆病者になってしまいましたから。

「桜咲、俺には君の気持ちは理解できないかもしれない。だが相談なら乗ってやるから思いつめたような顔はしないでくれ。まだ桜咲は後悔しても振り返り、そして何度でもやり直すことはできるんだからな?」
(ッ!)

まさか顔に出ていたなんて、まだまだ修行がたりませんね。
それに士郎さんの言葉はまるで自分自身に問いかけているようなもので聞いていてとてもせつない。

「それとこの世界に来る前に最後に師匠に言われたことだが、『人助けを続けるのはいい、だけど同時に自分の幸せも見つけなさい』と、言われたんだ。
だからもう後戻りはできない以上、この世界で姉さんと一緒にそれを探そうと考えている。
……すまないな、愚痴っぽく一方的に話しこんでしまって。考えは人それぞれだ。
だから桜咲は決して道は誤らず人生を進んでほしい。
さて、つい話し込んでしまったな。鍛錬を始めるとしようか」

……この人は強い。体ではなく心が。
私もいつか士郎さんのような強い心を持ちたいと心から思った。
たとえこの身が人間じゃないとしても。
だから、

「はい、お願いします!」


◆◇―――――――――◇◆


Side 衛宮士郎


桜咲との実戦を想定した訓練が終わった後、二人で寮に戻った。
しかし、他人にこんな簡単に愚痴のように話してしまうなんて俺もまだまだだな。
自制しなければな。
シャワーを浴びて食事を作り、早めに姉さんと食べて二人して学園に向かった。
しかし姉さんは教師として通っている俺とは違い何をしにいくのだろうか?
聞いてみたが、内緒よと、ふふふと笑いながら言われてしまった。
寒気を感じたのは気のせいということにしておこう。

とりあえず二日目の授業が始まり、ネギ君は昨日とは違い緊張はなくちゃんと授業はできているようで安心した。
だが、また雲行きが荒れてくるような気がした。
ネギ君……実は自覚しているのではないか?
神楽坂は答えたくないといった感じで精一杯顔を逸らしているが当てるのはかわいそうであろう。
どうやら昨日のお礼というか善意らしいがそれが裏目に出たようだ。

「アスナさん、英語がダメなんですね」

と、クスッと悪げもなく笑ってしまったのが原因だった。
それから芋づる式にほかの教科もほとんどダメだとみんなに暴露され挙句の果てには、

「ようするに体力バカなんですわ」

と、まで言われてしまっていた。哀れでしょうがなかった。
そしてまた神楽坂はネギ君に掴みかかったが神楽坂の髪がネギ君の鼻に触れた瞬間、
俺は同時に神楽坂の前に飛び出しくしゃみという突風を代わりに受けた……いや今回は突風なんてレベルではない!


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