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曇天に哭く修羅
第一部
乗り越えろ
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ない……。み、見下されるのは、慣れてる、から」

「佐々木は本当に凄い奴だ。俺にとっては正にトラウマなんだよ。だから───」


試合の開始まで10秒足らず。


「そんなお前を踏み越えて俺はッ!」


青獅が槍を構える。


「先へと進むッッ!」


紫闇は試合が始まると地面を蹴って一直線に相手と間合いを縮めていく。

そして【禍孔雀(かくじゃく)】を発動。

右手が黄金に輝き固く握り締められた。

振られた腕は真っ直ぐに青獅の顔へ。

直撃した拳がめり込む。

顔面で爆裂。

金色の粒子は花から花粉が撒き散らされるように周囲へと広がっていく。

結界にぶつかった青獅の体は受け身も取られず地面へと落下していった。

10カウントされる間に青獅の【古神旧印/エルダーサイン】は輝く筋となる。

それは紫闇の体に入り込む。


『試合終了ーーッ!! 12秒でノックアウト! 凄まじい圧勝劇ッ! 一発ですッ! まるで歴史的な瞬間に立ち会ったような気分だぁッ!』


ドーム内には数万の色々な声が響いている。


「俺は、乗り越えられたんだな……」


気絶した青獅を見ながら紫闇が呟く。

声援を浴びながら退場。

彼は(たま)らず胸に(たぎ)る思いが口を()いて言葉となり発露してしまった。


「待ってろよ江神……!」

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