暁 〜小説投稿サイト〜
ヘタリア大帝国
TURN26 親衛隊その六
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「手袋をしていても。この石はね」
「効果がある」
「そうですね」
「俺達の神の力がある」
 言う言葉はこれだった。
「そしてその力はあの娘にも効果があったみたいだ」
「レーティア=アドルフも」
「無事篭絡できましたか」
「できたよ。親衛隊の面々と同じくね」
「親衛隊には気付かれていないですか」
「主立った者達には」
「気付く筈がないからね」
 自分の部下達だがそれでもだ。ヒムラーは彼等には愚弄を見せた。
 そしてその愚弄に基きだ。こうも言うのだった。
「所詮はただの追っかけさ。俺には気付かないさ」
「はい、そして我々にも」
「全くですね」
「ドーラ神のことは誰も気付かない」
 ヒムラーはある神の名前を出した。
「そう、誰もね」
「ロンメル元帥もですか」
「気付きませんでした」
「ロンメルは今の俺にも気付かなかったさ」
 ヒムラーは自信たっぷりに言えた。このことも。
「彼が見ているのはあくまで過去の俺さ」
「今のヒムラー様ではない」
「そうですね」
「そもそも何故俺が養鶏場を大きくできたか」
 左手の甲の石をだ。ヒムラーはまた見たのだった。
「そのことも。ましてや俺の手のことも」
「全くですね」
「誰も気付かなかったのですね」
「慎重にしてるからね。あえて右手も隠しているからね」
 両手を怪我したことにしてだ。左手の甲のそれを隠しているのだ。
「周到にしているからね」
「我々のことは気付かせない」
「時が来るまでは」
「ましてや大怪獣達のことも」
 ヒムラーは人類を脅かすそうした存在のことも話に出した。
「気付かせないさ」
「全くですね」
「そうしていってですね」
「ソビエトを倒してからだね」
 これは彼にしては当然の流れだった。彼もドクツがソビエトを倒すと考えていた。
 だがそれと共にだ。彼はこうも言うのだった。
「けれどソビエトが勝っても」
「ヒムラー様、そして我々は」
「生き残りますね」
「そうするさ」
 こう言うのだった。
「俺の石がある限り。それは可能さ」
「あのカテーリンという娘もどうやら」
「石を持っていますね」
 石、この言葉が出てだ。ヒムラーだけでなく闇の中にいる者達も彼の手の甲の石を見る。石は無気味な紅の光を放ってそこに輝いている。
 その石を見てだ。彼等は言うのだった。
「それだけに厄介ですが」
「しかしヒムラー様にも石があります」
「何、所詮は子供だよ」
 ヒムラーはカテーリンもこう言って終わらせた。
「俺の相手じゃないさ」
「交渉はですね」
「それについては」
「まあ。俺にこの石がある限り大丈夫さ」
 全くだというのだ。
「何でもできるさ」
「ではそのうえで」
「我々もまた」
「ではドーラ様の前に行こう
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ