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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
001話 プロローグ
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―……」
「それ以上は言わないで」

せめてイリヤだけでも逃げてくれ、と言おうとしたが手で口を塞がれてしまった。

「なにか言おうとしているのはわかっているんだから」

むぅ、やっぱり顔に出てたか……あからさまに怒っているな。

「死ぬときは一緒だよ、シロウ……約束したでしょ?」
「……すまない」
「いいのよ。それよりお話しよう。幸い結界はまだ持続しているから襲撃者はまだ来ないと思うわ」
「(こんなときに……? いや、こんな時だからか)……わかったよ、イリヤ。じゃ何の話をするか」
「そうね……今、リンやサクラ、バゼット、カレン、それにタイガは何をしてるとかなんてどうかしら?」
「それはいいな。じゃまずは藤ねえからいってみるか」
「そうね」

それからイリヤとはいろんな話をした。
その中で特に遠坂の話題が出たらイリヤは過敏に反応して「いまだに金欠生活をしているんじゃないかしら?」
などとろくでもない話をしていたとき、

「それで……、……!?」

突然イリヤは話を中断して険しい顔をしだした。

「どうしたイリヤ?……まさか!?」
「……えぇ、いきなり結界が消滅したわ。それもたった二人の魔術師によって」

その事実に俺は驚愕した。イリヤの魔力量は聖杯戦争の時と比べれば小聖杯としての機能を無くし落ちたもののそれでもそのキャパシティは遠坂を上回るものであるがために、並みの魔術師が結界を破ろうとしても最低5人以上は必要でそれにかなりの時間を消費しなければそうそう破られるものではないからだ。

「まずいわね……あれ、でもこの魔力はどこかで―――……」

イリヤがなにかを言いかけた次の瞬間、ドカ――――ンと扉が蹴破られる効果音とともに、

「やっと見つけたわよ、二人とも」

そんな懐かしい声とともに二人いる一人が羽織っていた黒いフードをはずしたら、出てきた姿は最後に会ったときはまだ少女としての幼さが残っていたが、今では見違えるほどに大人の女性として成長した遠坂の姿があった。

「遠坂……?」
「リン……?」
「なに呆けてんのよ、二人して? そんなにわたしがここにいるのがおかしいかしら?」
「いや、だってな……」
「えぇ……」

俺とイリヤの反応に遠坂はため息をつきながら、

「はぁー……まぁ、ここは久しぶりと言うべきでしょうけど、イリヤがいてもやっぱりこんな結果になっちゃたのね?」
「「うっ!」」
「まぁどうせ士郎のことだからイリヤが止めるのも振り切って飛び出していったんでしょうけどね」
「うぅ……面目ない」
「別に、もう気にしていないわよ。でもね……士郎にイリヤ、あなた達はやりすぎた。いえ、名を知らしめすぎた、といったほうが正しいわね。
魔術の隠匿無しでの行動は、協会に
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