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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
001話 プロローグ
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リアしてイリヤの新しい体を手に入れ魂を移し変えたのだが、そこからが問題だった。
学校を卒業後に俺は切嗣の夢でもあった正義の味方を目指す為に世界に出ると話を持ち出したのだが当然、反対されどうしたものかと考えていたところで、

「それなら私がついていくわ。シロウ一人じゃアーチャー街道まっしぐらしちゃうからちゃんとお姉ちゃんが見張ってなきゃね」

と、イリヤから驚愕の真実を教えられた。どうやら聖杯としての機能でアーチャーを倒して吸収したときに得た情報でアーチャーが未来の俺の姿と分かったらしい。
そしてレイラインがアーチャーと繋がっていて聖杯戦争中に夢で過去を見たらしく薄々感付いていたらしい遠坂も、

「……確かに」

なんておっしゃられた……。
なんでさ……?
それで結局断ることもできずに仕方なくイリヤを連れて世界に出た。

それから5年が経過し、確かに今の俺はアイツと同じくらいの180cm代前後の身長、脱色した白い髪、そして、投影の酷使の代償として起こったのであろう、肌が浅黒く、瞳が銀色に変色して、黒いボディーアーマーに赤い聖骸布によって編まれた外套を纏ってまさにアーチャーそのものの姿になっていた。
夫婦剣の干将・莫耶を主に使うのも嫌になるがまさにアーチャーのそれである。


閑話休題


そしてなんでこんな小屋の中で二人そろってボロボロになっているのかというと、すでに俺の魔術の“投影”を隠匿もしないで何度も使っていた結果、当然を言うべきか封印指定をうけてしまい、幾度もの襲撃で何度も逃げに逃げて、今回もなんとか襲撃者から逃走することは成功できたが代償に致命傷を受けて今がその現状である。

「くっ……今度こそ、やばいかもな、これは」
「しゃべっちゃ駄目よシロウ。まだ血が止まっていないんだから……まったくあの時にわたしを見捨てていれば……」
「…それ以上はいっちゃ駄目だ、イリヤ。でないと怒るぞ?」
「うっ……ごめんね、シロウ……」
「いや、謝るのは俺のほうだ。イリヤをこんな危険なことに巻き込んでしまって……」

俺はなんとかまだ力が入る腕をイリヤの頭に乗せて撫でてやりながら謝罪した。

「そんなことはないわ! だってついていくって言ったのは私なんだからシロウが責任を感じることはないんだから!」
「それでも、だ。俺がもっとまわりに気を使っていればこんな事態にはならなかったんだからな」
「確かにシロウのしたことは認められるものではないわ……でも! シロウは今まで頑張ってきたわ。それだけは誰にも否定はさせない」

イリヤはこんな俺のために泣いてくれている。親父に女の子は泣かしちゃいけないと言われていたのに、ほんとダメだな、俺って……

「ありがとうイリヤ……でももう俺の体は動けそうにない。だから――
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