暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第14話:それぞれのお悩み相談
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「あ〜、えっとですねぇ〜……」

 奏に問い掛けられて、響は少し考え込んでしまう。

 実は、響が奏を誘ったのは颯人に頼まれたからだ。曰く、響が装者となった事に奏が悩んでいるようだから2人でじっくり話して元気付けてやってくれ、と。
 響としても、奏と2人で話すことは吝かではなかった。寧ろ、色々とあってじっくり話す機会がなかったのでちょうどいいとすら思っていたくらいだ。

 だがいざこうしてみると、何を話したものかと悩んでしまった。颯人から事前に、奏は響を装者にしてしまったことを悩んでいるようだと言う事を聞かされていたのだが、響自身は装者となってしまった事を欠片も不幸と感じていないので悩まれても困るのである。

 暫し考えた末に、とりあえず奏をここに連れてきた理由を響は話すことにした。どの道、颯人の差し金であることは何処かで判明するのだろうしさっさとバラしても問題はないだろうとの判断だ。

「実は、颯人さんに言われたんです。奏さんが、私を装者にしちゃったことでまだ悩んでいるみたいだって」
「えっ!? あ、あ〜……そう、だな。確かに…………」

 響がガングニールを纏って戦うようになりその原因が判明した時、奏は即座にその事を響に謝罪している。自身の弱さの所為で無関係だった筈の響を巻き込んでしまった事に強く責任を感じていたのだ。
 その時は響も即座に許すどころか、ノイズの脅威から人々を守ることに意気込みすら見せていたのでそれ以上何かを話すことはなかったのだが、その時話しただけではやはり奏の後悔は晴れる事無く未だに心の中で燻っている状態だった。

「うん…………やっぱり、今でも後悔は消えないし響にも悪いと思ってるよ。あたしの不甲斐無さの所為で、響を危険に巻き込んじまってさ」
「私は、そんな事気にしてませんよ?」
「響が気にする気にしないじゃないんだ。あたしがあたし自身を許せないんだ。あたしが戦う事を選んだのだって、元はと言えばノイズへの復讐とかが理由だってのに、さ」

 目を瞑れば今でも思い出せる。目の前でノイズによって殺された家族の姿、そして何も出来ずウィズによって颯人が連れ去られるあの瞬間。ウィズに関しては颯人の為でもあったのでもう恨みとかはそこまでないが、あの時の無力感は未だに忘れられない。
 言ってしまえば、奏が戦いに身を投じるようになったのは全て自分の為であった。家族を奪われた事への復讐心と何も出来ず大切な者を連れ去られた無力感を拭い去る為。途中でそれ以外の理由も見つけることは出来たが、結局のところ彼女が戦い始めた理由はそこに行きつく。

 対して響はどうだ? 彼女は身勝手で戦いに身を投じた奏のとばっちりで戦う力を無理やり与えられ、命の危険と隣り合わせの日々を送っているのだ。
 それについて、どうしても奏
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ