29 アイテムは次の世代へ
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、私の話は以上です」
「了解です。そのように今大切にその道具をしまわれてください。再びこの国が間違った方向に向かいそうになるその時まで」
「分かった・・・」
「それでは」
二人は天に昇るように上昇し、そして消えた。
「まき子ちゃん」
奈美子は心の準備の確認を問う為にまき子に声をかける。
「封印しようか」
「そうだね」
二人はそれぞれ新居にて自分の部屋を貰ったのでその机の引き出しの中にしまった。
やがて歳月は経ったが、二人はそれ以後もその杖や護符を忘れる事は無く、結婚後もその道具は持ち続けた。それからその杖をまき子は娘・かよ子が生まれ、小学三年生になったその時、娘に受け継がせたのだった。
「それだけその杖は役に立ったのよ」
「うん・・・」
「あの、お母さん、実は私も前にそのフローレンスさんって人に会った事があるんだ」
「あら、そうだったの」
「杉山君達が造った秘密基地を隣町の子達と取り合いになった時、その喧嘩を止めようと動いていたんだ」
「そうだったのね。実は私も前に地震のような事が起きた時、御穂津姫姫にも会っているのよ」
「え!?そうなの!?」
「その時私の前に現れてこう言ったの。『その杖の封印を解く時が訪れました。その杖の力を娘さんに引き継ぎなさい』ってね」
「そうだったんだ」
かよ子は思った。この杖は母親が平和を主とする世界から貰ってきた尊い品だ。この世界の異変から守るために慎重に使わなければならない、と。
「それで、おばさんはその護符を誰に引き継がせるの?」
かよ子は隣のおばさんに聞く。
「そうね、健ちゃんは甥だから、うちの娘かな?」
「誰にですか?」
三河口も自分の従姉の三姉妹の誰に継がすか気になった。
「そうだね、まだ考えてなかったね。そろそろ渡さないとね」
「はい・・・」
「長話をしてたら6時過ぎちゃったね。それじゃ、失礼するよ」
「はい。あ、かよちゃん」
三河口はおっちょこちょいの少女の名を呼ぶ。
「え?」
「もし何かあったら俺も手伝うよ」
「お兄ちゃん、ありがとう!」
奈美子とその甥は帰った。
かよ子はその杖を改めて見る。絶対にこの杖でこの世界を守る。丸岡と言う男は一度取り逃がしたが、彼は異世界からの侵略者ではなかった。あの男が、いや、あの男が属するグループが異世界とぶつけて協力したというならば、絶対に彼らの野望を打ち砕く。
(おっちょこちょいはもうできないし、したくない・・・!!)
かよ子は己の改善を渇望する。
(それから、杉山君も失いたくない・・・)
同時に好きな男子の事も考えた。そして、杉山に相応しい女子になりたいと願う。
そして、また時は進んでいく。
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