暁 〜小説投稿サイト〜
おっちょこちょいのかよちゃん
29 アイテムは次の世代へ
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「でも、その護符や杖はいつまで使い続けてたの?」
 話の途中、かよ子は質問した。
「それはね、戦後の混乱が収まった時までよ」
 かよ子の母は話を続けた。

 戦後の食糧不足や治安の不安定さも落ち着きを取り戻していく中、まき子や奈美子はそれぞれのアイテムに頼る事を続けていた。
「これのおかげで乗り越えて行けたね」
「うん、私もこの杖の能力で何とか身を守れたしね」
「うん、新しい家もできたし、これからも守ってくれるかな?」
 その時、二人は謎の声を聞く。
「北条まき子さん、三河口奈美子さん」
 この声は二人とも聞いた事があった。ひもじくて食料探しをしていたあの時と同じ声、つまり御穂津姫(ミホツヒメ)の声だった。
「その声は、御穂津姫!?」
「はい、その通りです」
 御穂津姫は二人には御穂神社に来るようには促さず、今度はその場に現れた。
「貴女方は今までその杖や護符で救われ続けてきましたが、貴女達の生活が安定しつつある今、それらを封印しなければなりません」
「え!?どうして!?」
「それはこの方からの進言です。その杖や護符が元々あった世界から来た者をつれて来ました」
 御穂津姫の隣に一人の女性が現れた。その女性は栗色の長い髪をしていた。
「初めまして。私の名前はフローレンス。平和を司ります世界から来ました。そしてその杖と護符は私達の世界の物で私が戦争で敗れました日本に力を与えます為に御穂津姫に渡しました物なのです」
 フローレンスと名乗った女性は説明を続けた。
「それで、確かに貴女方の杖や護符は終戦直後の混乱を乗り越え、戦災孤児の救済にも貢献されました。しかし、これは信じられません事だとは思いますでしょうが、その道具の使用があからさまになり続けていますと他の世界の人間がそれを狙う恐れがあるのです」
「他の世界の人間って?」
「戦争を正義と思う世界が存在します。その者達は嘗てはこの世界の人間でしたが、最悪の形でこの世を去り、その憎しみが増大化させてこの現世に復讐の機会を狙っているのです。今、この日本は終戦を迎え、新しい憲法が施行されました今、これからの日本は平和の道を続けます予定ではありますが、また再びその憲法を破り、戦争の道へと歩ませる者が出てきますはずです。その時まで、その杖と護符の封印を私から願います。そして、貴女方のご子息がこの世に生まれ落ち、育ちが進みゆきます時にそれらを受け継がせてください」
「う、うん・・・」
「私の世界では貴女達がここまで歩み続ける事ができました事を光栄に思っております」
「うん・・・!絶対に私達の子供に渡すよ」
「はい、遠い未来の話にはなりますが、必ずお子様達に貴女方の能力(ちから)は受け継がれます。不安にならないでください」
 フローレンスは話を終えた。
「それでは御穂津姫
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ