第3話 オリエンテーション
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ましたよー」
絶体絶命かと思われた刹那、突然現れた長髪のスタイルの良い女性に腕を引っ張られる。
「え...俺...参加希望なんて...というかあなた誰...?」
「...ここは任せてください」ニコッ
「え、あ...はい」
「はーい! どいてくださーい! 先約があるので失礼しますねー!」
困惑しながらもとりあえず逃げ出したい一心だった俺は彼女についていくことにした。力強く人だかりを掻き分け颯爽とその場を離れていく。
「ちょっと! 何よあんた...今は私たちが....
「こらー!あんたたちー!時間外の勧誘は禁止って言ったでしょー!」
「げっ! 風紀委員がきた!」「逃げろ逃げろー!」「くっそー! あ、君ー!興味あったら顔出すだけでもきてねー!」
風紀委員から逃げ出す勧誘生徒を尻目に、力強くその女性に手を引かれた俺は何とか窮地を脱することができた。逃げるのに夢中で気がつかなかったが、連れられたのはよくみるとボロボロの部室だった。
「....ふう。とりあえずここまでくれば大丈夫でしょう...。怪我はないですか?」
「あ、はい...特にはないですけど....あなたは...?」
「....申し遅れました。私五十鈴華と言います。さっき言った通り華道部に所属する予定です。...ごめんなさい、突然こんなことしちゃって。何だかほっとけなくて」
「いえ! むしろ助かりました! 正直結構怖くて...」
「いいんですよ、気にしないでください。困っている男性を助けるのは乙女の嗜みですから」
「ほんと、ありがとうございます。五十鈴さんみたいな人がいなかったらいまごろどうなっていたことか....」
「私みたいな人...ですか...ふふっ」 ガチャ
「えっ....? えっと、五十鈴さん? 何で部室の鍵を閉めて...」
突然扉の鍵を閉めたのに焦り五十鈴さんに近づくと、腕を強く掴まれ、壁に追いやられた。
「....ここは旧校舎の廃部した部の部室でしてね、滅多に人も訪れないんですよ。そこに私とあなた2人きり。...どういう意味かわかりますよね?」
「じょ...冗談きついなぁ、五十鈴さんがそんなことするわけ...」
(これは...いわゆる逆壁ドン!? いやこの世界だと通常の壁ドンなのか...いやそうじゃなくて!)
「噂には聞いてましたが...あなた本当に警戒心がないのですね。...まぁこちらとしては好都合でしたが...」
必死に抵抗しようともがくか、相当力が強いのかビクともしない。嬉しそうにじっと見つめていた五十鈴さんの顔が近づき、吐息が顔にかかる。
(どどどどーしよ! なんだこれ!? )
河野ひろはこの世界に来て
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