第3話 オリエンテーション
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2人に連れられた部のオリエンテーションの会場には、同じ戦車部の生徒たちがぎっしりと詰まっている。....まぁ全員女のわけだが。
戦車部での学びや4年間の過ごし方をレクチャーしてくれるらしい。
(とにかく今は情報が欲しい....元の世界との違いを知るんだ...)
「静まれ! 立っているものは席につけ! これより、蝶野亜美教官より、説明を行う!」
スッと入ってきた複数の女性。中心に立つひときわ凛々しい女性が第一声をあげると同時にざわついた教室が一瞬で静まり返った。
「ねぇ...あの真ん中の人って有名なんですか?」
「知らないの? うちの大学の特別教官だよ。戦車道界隈で知らない人はいないレベルの有名人なんだよねー....いいなぁ、モテるんだろうなぁ」
「教官目当てでうちの大学受けるやつも多いくらいだからな。...まぁかなりのスパルタらしいから私は授業受けるのごめんだがな」
「へー....」
(全然知らなかった...うちの大学ってもしかして結構すごいとこなのか...?)
「紹介に預かった蝶野だ! 生徒諸君、大洗大学入学おめでとう!まずは第一関門突破といったところだな。この4年間を通して強くたくましい日本女子になれるよう、精進してくれ! 我々教官も君たちの頑張りを全力で応援する!....では早速だがまずは戦車道について...」
オリエンテーションの中でこの世界についてもすこしわかったことがある。
1つ、やはりこの世界は女性主体、男性は守られる存在という元の世界とは真逆の価値観であること。
2つ、戦車道関連の仕事が女性にとって安定した人気の職業(公務員のようなもの)であること。
そして一番驚いたのは、元の世界よりもジェンダーフリーがはるかに進んでいないことだ。
戦車道でもそれは顕著に現れており、つい最近までは男性の参加はおろか、関わることすらタブーにされていたようだ。
(なるほど...共学になったのに男子が俺だけなのも世の風潮を表してたってわけか...うーんだとしたらおれは世間からはどう見られて...)
カリカリカリッ....
「ねぇ、麻子、河野ちゃん随分熱心にメモ取ってるね、さっきから一言も話さないや」
「無理もない...。女性でさえ仕事として持てるのは一握りの職業だ。そこに男が行くとなると並大抵の努力じゃたりで足りないだろうからな...必死にもなる...お前も少しは見習っ...」
「...真剣にメモ取ってる姿...なんかいいっ!...庇護欲をそそられるっていうか...いいねっ!」
「...真面目に話した私がバカだった」
横で壮大な勘違いをされつつ、そんなことには目もくれず一心不乱にメモを取り続け、気がつくとオリエンテーションは終
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