第1話 いつもと違う世界
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まとめている最中、お尻に妙な違和感を感じた。
(嘘...これって...)
気配から察するに後ろに誰かおり、明らかに意図的に触られている。
(マジかよ...これって痴漢てやつ...!? )
当然初めての経験だったので、硬直して動けず、声を出そうにも恐怖からか震えてうまく発することができない。しかも小柄な体格と混んだ車内のせいで、周りは全く気づいてていないようだった
「あ、あの...やめて...」
情けない声を必死に振り絞り、声を出したが、触れている手は逆により強くなっている気がした。
(まじか...何でだ...めちゃくちゃ怖い...大学まではまだまだ時間あるし...どーしよ...)
情けなく涙目になり、途方に暮れていると、後ろから大きな声がした。
「おい、そこの女、なにやってる」
「な、なにもして...」
「嘘だな、お前、この男の子に痴女してただろ。 ホームに降りろ」
(痴女するってすごいワードだな...てかかっこいいこの人...)
「ちょ、ちょっと!」
「いいから降りろ」
凛とした目で『黒森峰』と書かれたバックを持った女性が自分のお尻に触れていた手を力強く引き剥がした。
タイミングよく駅に着き、無理やり痴女を引き摺り下ろすと、手際よく車掌に身柄を引き渡していた。
「あ...あの...ありがとうございました」
その女性についていき、自分もホームに降りた。どうしてもお礼を言いたい一心だった。
「むっ...。ついてきたのか。...いや何、当然のことをしたまでだ気にするな。それより、最近はああいう輩が増えているからな。気をつけろよ」
(うわあ...かっこいいなあ。 男の俺より全然男らしい...)
「...電車、途中で降りてしまって大丈夫だったのか? 随分急いでいたみたいだったが...」
「え? 電車...あー!!! しまった! あれってそういえば大洗への最後の電車だった...遅刻確定だー...」
「大洗..? もしかして大洗大学へ行くつもりだったのか?」
「え? ええ..よくご存知で」
「ああ、妹が通っていてな。今日は入学式というから観に行こうと思っていたところだ、奇遇だな。...ちょうどいい、一緒に行くか。場所も駅から若干離れているしな、案内ついでにもなるだろう」
(かっこいい上に気配り上手...自分が女だったら間違いなく今ので惚れてる)
「はい! 是非! で、でもこのままだと遅刻ですね...どうしましょう」
「なに、電車がないだけで時間はたっぷりあるんだ、他の交通手段を使えばいい。タクシーならそこらへんで捕まるだろう」
「そうですね、そうし
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