暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica53再始動〜Their dreams〜
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「この、ちょっ、もう・・・ダメ・・・!」
「足腰立たなくしてやる!」
「ハッ! は、な、れ、て!」
ドンッと突き飛ばされた私は、顔を真っ赤に肩で息をしているエクトルを見る。乱れた団服を調えて、私に指を差すと「胸のサイズと同じく絶対に負けないから!」それだけを言い放って、ひとり会場へ走り去って行った。そんな彼女を見送った後、私は自分の胸に手を添えて軽く揉んだ。
「・・・。いいもん。小さくたって、赤ちゃんにミルクあげられるもん・・・」
くすん。しょんぼりしながら私も会場へ向かう。スタジアムとも言える観客席のあるフィールドの出入り口は東西のゲート2つで、私は東から入った。そこで「少し遅刻ですよ、騎士トリシュタン」審判員に注意されてしまった。
「あ、はい。申し訳ありません」
早足でフィールドの中央に立つ。私と向き合う形で佇んでいるエクトルは目を閉じて瞑想中。向かい合う私たちに「それではこれより、騎士トリシュタンと騎士エルネスタの試合を行います」審判員が告げた。
「フィールド設定は森林。フィールド展開後、30秒間の移動時間を設けます。そして合図と同時に試合開始です」
審判員が離れていき、「騎士甲冑と武装の用意を」と告げた。右耳に付けている十字架型の待機形態である「イゾルデ!」と呼び、起動させる。反りのある二振りの短剣の柄頭を連結させた弓へと変形させる。
「ブランジァン、起きなさい」
エクトルも団服の袖を捲り、ブレスレットを露にした。起動した“ブランジァン”は左前腕を覆う籠手となり、手首の両側からリムが伸び、ダークブルーの魔力弦が張られた。
騎士甲冑は、立て襟のブラウス、ペプラムジャケット、レギンス、前開きのオーバースカート、ハーネスブーツ。腰には物質矢を収める矢筒。そしてモノクルにレティクルが浮かび上がった。
『では、フィールド展開』
アナウンスが流れると同時、建造物シミュレータによって木々が投影された。私とエクトルの間に巨木がそびえ立ち、お互いの姿が見えなくなる。これから30秒の間は移動時間。その間に狙撃ポイントを探すために動く。
(思ったより木々が多い。直線距離での狙撃は難しいかも)
そうこうしている内に『試合を開始まで5秒』そうアナウンスが流れた。4、3、2、1とカウントをして、『試合開始!』のアナウンスと共にブザーが鳴った。私は即座に木の頂上へと上り、探査用の魔力矢を1本と魔力弦に番える。
――這いずるは不明なる発信者――
魔力矢の先端、鏃だけを不可視化させたところで・・・
――弐竹――
森の中から魔力矢が1本と飛来。私は横っ飛びしながら弦を引き、「往け!」不可視の魔力矢を射た。軸のところが消滅し、透明になっている鏃だけが飛ぶ。
エクトル
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