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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica53再始動〜Their dreams〜
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『トリシュタン・フォン・シュテルンベルク、エルネスタ・エクトル両名、試合会場へ』
アナウンスで名前を呼ばれ、私は深呼吸を1回してから椅子より立ち上がり、控え室から出る。クッペルの中央にある試合会場とも呼んでいる訓練場へと向かう。
「シュテルンベルク・・・」
「エクトル・・・」
2つ隣の控え室から出てきたエクトルとバッタリ。アリシアさんとフェイトさんのハラオウン姉妹には劣るけれど綺麗な金の髪をフォーテール(一般的なツインテールのように頭の上の他に、耳の下辺りにもう2つテールを結んでいる)、深い青い瞳の右側にはモノクルを付けて、わたしと同じ女性用の騎士団服を身に纏っている。
「ボーゲンパラディンとなるための最大の障害だったガラガース卿が失脚した今、貴女を倒しさえすれば確実にパラディンとなれる」
別段会話する気がなかったけれど、隣に並ばれてしまえば仕方ない。私は「パラディンの切符は私が頂く」と告げると、エクトルは「そっくり返すわ」と小さく笑った。
「それにしても、シスタープラダマンテの失脚、リナルド元団長の死という形でトラバント家が没落したことで空席となった六家の座を狙おうとしていたら、まさかシュテルンベルク家がすぐに収まるなんて。一体どうやってマリアンネ聖下を篭絡したの?」
「特には。まぁシュテルンベルク家は、古くはシュトゥラから続く家柄であり、聖王家とも繋がりがあったから、それが理由では?」
挑発を受け流し、チラッと横目でエクトルを見てフッと鼻で笑って挑発返し。エクトル家も古い家柄ではあるけれど、シュテルンベルク家に比べればまだ新しいし、聖王家との繋がりはまったくない。
「・・・六家の座は奪われたけど、パラディンの称号だけは必ず、エクトル家が貰い受ける」
「はいはい頑張ってください」
「この・・・! 貧乳」
エクトルがボソッと呟いた単語を、私の耳はしっかりと聞いた。けれど、そんな安い挑発を受けるわけにはいかない。しかし彼女は調子に乗って、「24歳でその小ささ。可哀想」なんて哀れんできた。うん、もうそろそろキレそう。
「ま、弓騎士であるなら小さい方がいいでしょうけど。でも小さいと女性としては・・・ね。ふふ、小学生みたい♪」
プチ。
「貧乳がそんなに悪いの!? 大きかったらそんなに偉いの!? というかそこまで小さくないわ!」
我ながら安い挑発に乗ってしまったと、怒鳴る最中に思っていたけれど、同姓とはいえ身体的特徴を馬鹿にするのは許せなかった。
「ひゃあん!? な、何をするの!?」
エクトルの胸を両手で鷲掴んで、「それに、私と対して変わらないでしょうが!」女である私の小さな手に収まるほどの大きさの胸を揉みしだく。触れた限り、悔しいけど私より少し大きい。
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