暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica53再始動〜Their dreams〜
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どうかのパラディン昇格試験。私は弓騎士の頂点であるボーゲンパラディンの座を懸けて、他の弓騎士と総当り戦を行っている。
例年どおりなら昇格試験は14日間と時間を掛けて、常に万全の状態で平等に試合に臨めるようになっていた。でも、大隊の一件で騎士の大半が試験に臨めるような状態ではなくなったことから、今日1日で全試合が終わる予定。

『トリシュ。アンジェリエですが、そちらの様子はどうですか? こちらは、やはりB級の騎士が多く、それに開会式で見て知ったとおり参加人数が少ないことで、もう試合が終わりそうです』

3試合を全勝で終わらせて控え室で休憩している私に、アンジェから思念通話が入った。

『弓騎士の方も似たようなもの。私たちオランジェ・ロドデンドロンのメンバーが、先のパラディンを打ち破ったって話もあって、相手の士気が少し下がってきてる』

ただでさえB級の騎士が多い中、私たちがそんな戦績を出してしまったことがかなり影響を出していた。けれど実際、私はボーゲンパラディンだったガラガース卿には勝てなかったし、アンジェとクラリスも魔術師化という、現代においては反則級のアドバンテージがあったこそ勝てた。それは2人も認めている。そう、厳密には私たちは勝ってはいない。

『けれど、長年A級の1位を競い合ってたエクトルがいるの』

『エルネスタ・エクトルですね。騎士としての英才教育を受けていたあなたを、何度か打ち破った・・・』

先のザンクト・オルフェン決戦でも彼女は、自身の隊である黒篝火花騎士隊シュヴァルツェ・ツュクラーメンを率いて、裏切りの騎士たちを何十人と確保した。実績も実力も十分すぎる。

『相手にとって不足なし』

エクトルも3勝で休憩を迎えている。そして次の相手が彼女だ。今回の最大の試練とも言える彼女にさえ勝てれば・・・。拳をギュッと握って、これまでの彼女との闘いを反芻して、勝つイメージを思い浮かべていると、ズズゥーン!と足元が揺れた。

「っ!?」

聖王教会本部から少し離れた場所に建てられているここ騎士団訓練施設。五角形状に並ぶ5棟のドームが渡り廊下で繋がっている巨大施設で、そのうちの弓騎士試験が行われている第3クッペル内に・・・

『今の振動は、第2クッペルで行われているフィレス・カローラ、ボニファーツ・ド・バトラーの試合によるものです。安心して試験を続行してください』

そんなアナウンスが入った。セレスの姉の騎士フィレスと、イリスとA級1位を長年競い合っていたけど、2年前に除隊した騎士バトラーの試合。今回のイリュリア・クーデター事件で人手不足になったことで再入隊を果たした。そんなイリスと互角な騎士バトラーと、騎士フィレスの闘いなら、今の振動も納得できる。2人ともSクラスの魔力を有する騎士なのだから。


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