第61話
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「”候補地”とは一体何の”候補地”なんだ…………?」
(まさかとは思うが…………)
ルトガーの話を不思議に思っているトワとアンゼリカが考え込んでいる中、察しがついたクロウは表情を引き締めた。
「よくわからないけど、別件だったら何故あたし達の前に姿を現したのかしら?アンタはそういう”無駄”をするタマじゃないでしょう――――――”猟兵王”。」
「ハハ、こうして改めて見ると随分と綺麗になったものだな。大佐もあの世で喜んでいると思うぜ、紫電の嬢ちゃん。」
サラの問いかけに対してルトガーは暢気に笑って答え
「それはどうも。――――――それよりまさかとは思うけど。結社とは別の意味でアッシュに用があって姿を現したのかしら?」
「……………………な……………………」
ルトガーの賛辞に苦笑しながら答えた後表情を引き締めたサラの問いかけを聞いたアッシュは絶句した。
「クク――――――正解だ。」
一方サラの問いかけに不敵な笑みを浮かべて肯定したルトガーは懐から葉巻を取り出して口に咥えた葉巻に火をつけて煙を吸った後話を続けた。
「アッシュ・カーバイド――――――”西風の旅団”に入らねぇか?」
「…………!!」
「ふえええええっ!?」
「それは――――――」
「考えてもみろ。その男は皇帝を撃ったのだ。いくらどのような事情があったところで極刑は免れられない。だが、我らの団に入ればそこは有耶無耶にさせられる。何せあらゆる”裏技”に通じた団長がいるからな。」
「……………………」
「…………やっぱりね。”西風の旅団”は訳ありのクセ者ばかりが集まっているから、まさかとは思っていたけど…………」
レオニダスの指摘に対してアッシュは何も答えず目を伏せて黙り込み、サラは真剣な表情で呟いた。
「サラ嬢ちゃんじゃねえが――――――お前さん、西風に向いてると思うぜ?その胆力、獰猛さ、頭の回転…………どれも超一流になれる素質がある。ま、サラ嬢ちゃん達が先に拾ったようだし無理にとは言わないが――――――人はそう簡単に”痕”を乗り越えられるもんじゃねえ…………強がって、イキがった挙句に自分に呑み込まれちまうのが大半だ。――――――お前さんも薄々わかってんだろう?」
「…………ッ。」
「…………くっ…………」
「アッシュ君…………」
ルトガーの指摘に反論できないアッシュとサラがそれぞれ唇を噛み締めている中トワは心配そうな表情でアッシュを見つめた。
「クク…………さすがに最強の猟兵だ。見透かしてくれるじゃねえか。ああそうだ――――――ただの強がりだ。本当は怖くてたまらねぇ…………だがよ…………それでも男には強がらなくちゃならねぇ時があるんだ。歯を食いしばっても前を向いて這ってでも進まなきゃならねえ時が――――――ましてや
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