第61話
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――――”剣帝”が結社入りした理由であり、目的だったのかしら?」
レーヴェの話を聞いてかつてのレーヴェの目的を察したサラは真剣な表情でレーヴェに問いかけた。
「そうだ。欺瞞を抱える限り、人は同じことを繰り返すだろう。第2、第3のハーメルの悲劇がこれからも起こり続けるだろう。俺は―――それを防ぐために”身喰らう蛇”に身を投じた。そのためには……修羅と化しても悔いはなかった。」
「そんで、それを止めたのがその”ヨシュア”――――――結社では”漆黒の牙”と呼ばれていたリベールの”剣聖”に拾われたこの場にはいない”ハーメルの遺児”か。」
「クロウ君はその人の事を知っているの…………?」
レーヴェの説明に続くように答えたクロウの話を聞いたトワは不思議そうな表情で訊ねた。
「ああ、ヴィータから”剣帝”もそうだが、”漆黒の牙”って”執行者”の事を少しだけ聞いた事がある。――――――機会があればレーヴェとそいつを俺に会わせたかったみたいだぜ。同じ帝国政府の思惑で故郷を失って、”闇”に生きた者同士としてな。」
「ハッ、話の内容はほとんどわかんねぇが…………結局、今こうして俺の前にいるてめぇはオレを置き去りにしてまんまと逃げられたお陰で、オレと違っててめぇの思う通りに生きていられるんだろうが。そんなてめぇにだけはオレに関してとやかく言われる筋合いはないぜ。」
トワの疑問にクロウが答えた後アッシュは鼻を鳴らしてレーヴェを睨んだ。
「フッ、ならば”自身が弱い”という”生温い理由”で”全て”から目を背け、ここで朽ち果てる事を受け入れるのが”正しい”と本気で思っているのか?――――――ハーメルを去ってから今まで生きてきたお前自身の全ても”皇帝を撃つ為の仕組まれた流れという言い訳”で切り捨てる事”も。」
「…………っ…………!」
嘲笑したレーヴェの言葉を聞いたアッシュは今は亡き養母やラクウェルでできた仲間や知り合い達の顔を思い浮かべた。
「”ハーメル”を去ってから得たお前の経験と”呪い”は”全く別のものだ。”そんな簡単な事も理解できずに朽ち果てたいのであれば好きにするがいい。――――――だが、その事に少しでもお前をそうさせた”何か”への怒りを感じているのならば、”お前が本当に取るべき責任”を考えるといい。――――――幸いにも”そういった事に関しても一緒になって考えるお人好しな連中”が目の前にいるのだから、そいつらを利用するといい。」
「アンタねぇ…………他にも言い方ってもんがあるでしょう?」
「しかもレーヴェさんは期間限定の協力者ですから、彼を私達に押し付けて自分はその責任を取らないつもり満々ですものねぇ。」
「つーか、そんなことを言うくらいだったらお前も俺達に最後まで協力してそいつを俺達に押し付けた責任を取れっつーの。」
「ア、アハハ…………
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