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レーヴァティン
第百三十六話 鹿児島攻めその九

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「全て掌握しました、そしてですね」
「次はだ」
「鹿児島ですね」
「あの場所をな」
「遂に攻めますね」
「これからな。街全体を囲んだ」
 城ではなくというのだ。
「後はだ」
「攻めるだけだね」
 桜子が言ってきた。
「そうだね」
「そうなっている、だが」
「街を攻めるとね」
「民も巻き込む、そして街もな」
 こちらもというのだ。
「巻き込んでな」
「壊してしまうからね」
「それは避けたい」
 英雄は桜子にも答えた。
「何とかな」
「そうだね、じゃあ今のあたし達は二十万だったね」
「九州の降った兵達も入れていったからな」
「それ位になっているね」
「近畿や四国から援軍も来てだ」
 勿論山陽か山陰からもだ。
「そうなった、そしてだ」
「その二十万の兵でだね」
「街を囲むが」
「それでもだね」
「出来る限りはな」
 英雄は本音を出した、それは戦ではなく政を観てそのうえで今も桜子に対して話しているのである。
「攻めずにな」
「降してだね」
「攻めたいが」
「薩摩隼人は戦好きぜよ」
 今度は当季が言ってきた。
「わし等もそれで戦をしてきたからのう」
「だからだな」
「もう鹿児島だけしかのうなっても」 
 それでもというのだ。
「戦を選ぶかものう」
「勝ち目がなくともだな」
「勝ち目とかは意地に負ける時もあるぜよ」
 当季は世の中のこのことを指摘した。
「それで戦が長引いたこともあるのう」
「俺達の起きた時の世界でもな」
「ままにしてあるぜよ」
「だからか」
「普通は最悪大隅と薩摩だけになったらじゃ」 
 その時点でというのだ。
「劣勢を確信して」
「降るな」
「そうしていたぜよ」
「鹿児島を囲むまではな」
「まずないぜよ、例えあの山に入ってでも」
 当季はここで桜島を見た、この浮島にも存在していてそうしてその雄姿を今は当季達に店ているのだ。
「戦をするかのう」
「桜島にか」
「これは冗談ぜよ」
 当季は英雄に笑ってこうも言った。
「あの山に籠ることは無理ぜよ」
「隠れるところがないな」
「しかもいつも噴火しとるからのう」
「今はしていないがな」
「それでも毎日みたいに噴火しているぜよ」
「そうした山にはな」
「籠れないぜよ」
 それは無理だというのだ。
「流石にのう」
「そうだな」
「だからそれはないぜよ」
「鹿児島で戦は終わりだな」
「やるにしてもな、しっかし」
 それでもとだ、当季は右目を瞑って言った。
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