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レーヴァティン
第百三十六話 鹿児島攻めその六

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「最初から一揆も起きない」
「ですね」
「ならですね」
「その方がいいですね」
「そうだ、しかしだ」
 ここでこうも言った英雄だった。
「一向一揆は違うな」
「一向一揆?」
「それは何ですか」
「一体どういったものですか」
「それは」
「言うなら坊主達が中心に起こる一揆だ」
 この浮島にも一向宗即ち浄土真宗は存在している、より正確に言えば本願寺派だ。だがこの世界には一向一揆がないのでこう兵達に話したのだ。
「民を動かしてな」
「そうした一揆もあるのですえん」
「西の浮島であるのでしょうか」
「そうした一揆が」
「あるかも知れない、宗教が絡む一揆だ」
 一向一揆についてこうも話した。
「そうした一揆もある」
「そしてそうした一揆はですか」
「危険ですか」
「そうなのですか」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「こうした一揆は善政を敷いてもだ」
「起こる」
「そうなりますか」
「そうだ」
 こう兵達に話した。
「そうした一揆もある、だが」
「だが?」
「だがといいますと」
「信仰を認めるとな」
 一揆を起こすその宗派をというのだ。
「それでだ」
「一揆は起きない」
「そうなりますか」
「そうしたなら」
「危険はかなり減る、だがおかしな宗派はだ」
 英雄はカルト教団も兵達に合わせてこう話した。
「そうもいかない」
「一揆を起こしますか」
「認めても」
「そうしても」
「世の中宗派といっても色々だな」
 この浮島も西の浮島も色々な宗教、宗派が存在している。それで英雄は兵達にこのことはそのまま話した。
「そうだな」
「神仏といってもです」
「色々ですね」
「仏門の宗派も」
「神社にしても」
「耶蘇教もありますし」
「天理教もあります」 
 兵達もそれぞれ宗教の話をした。
「西の浮島でもそうだとか」
「色々な教えが信じられていますね」
「あそこにも耶蘇教があって」
「むしろ本場で」
「他にも教えがありますね」
「そうだ、ゼウスやオーディンが信じられている」
 実際にとだ、英雄は兵達に答えた。
「あちらの世界ではな」
「左様ですね」
「あちらはああした浮島なのですね」
「そうなのですね」
「あの浮島にもおかしな宗派がありだ」
 そしてというのだ。
「自分達以外を敵とみなしてな」
「一揆を起こす」
「そうしたこともありますか」
「それも有り得るしこの浮島でもだ」
 こちらでもというのだ。
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