4話小日向未来@(中編)
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金で心は買えない。
金があっても満たされない。
フィクションでよく言われているそういった言葉は、なるほど、確かに金という物の一つの側面を捉えている。
だが、あえて私、真琴誠治郎はこう言おう。
金がなければ、守れないものも、又多いと。
これでも(性格は善良とはほど遠いが)パリに料理の修行したり、有名な和食料理店の丁稚やったり、『この世界』では、六歳ぐらいから丸十四年仕事は真面目にこなし。
料理だけは真面目にやってたおかげで見える事がある。
少なくとも二十一世紀の現代社会と同様な社会構築をしているこの世界で、金は無価値ではない。
情報を調べる。人を動かす。
暴力ほど即効性はなくとも、ある程度は『財力』と、それを稼ぐと付随する『権力』で解決できる事はある。
例えば、こうやって秘密裏に可愛い女の子と会うとかね。
一般的な感性からすると、明らかに『権力の無駄遣い』としか言えない事を堂々と行いながら、彼は夕方というのには少し早い時間に、部屋に運ばせたコーヒーとケーキを、未来と共に口にした。
熱々のコーヒーを両手で可愛らしく、ふうふう冷ましながら飲む姿に萌えながら、彼女に声をかける。
「ふふ、どうかね、新作のケーキとコーヒーの味は」
「…………ケーキならともかく、熱すぎて少しづつしか飲めてない私に聞くの?誠治郎さん?」
ぷくぅと頬を膨らませて文句を言う未来に内心絶頂するほど萌えたが。
ふっ、頼りになるイケメン年上キャラ(笑)はこんな事で動揺しない。
なんかナレーションに一文字要らない文字が足されていたが、気にしない(強調)
「相変わらず怒る姿も可愛らしい…………あ、間違った、今の無しで」
「もーーー!」
コーヒーカップをそっと置くと、数歩で届く、対面の私の元まで来て、その華奢な手でポコポコと胸板を殴る。
うん、全く痛くない。
可愛らしい彼女のじたばたを見て、緩みそうになる頬を抑える。
小日向未来、俺をここまで萌えさせるとは…………侮れんな(違)
とまあ、可愛いムーブという前菜(隠喩)はここまでにして。
メインディッシュを食べようかな…………
ポコポコ胸板を叩く未来の肩が、やや強めの力で掴まれる。
痛くはないが、ある程度の力を込めたその誠治郎の腕に一瞬ビクリとなる未来。
だが、その顔は、直ぐに驚きから羞恥に変わった。
チュッ…………
淫靡な音が、未来の胸元で鳴る。
『とある事情』でブラを着けていない胸元で。
反応は劇的だった。
ばっと顔を上げると、無意識に彼女は自分から距離を取ろうとする。
(うむ、初々しい反応をありがとう)
何度致しても、羞恥心を忘れない清楚さは好む
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