第二百四話
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第二百四話 徹底的に冷えて
華奈子も美奈子も水風呂の中で歯がガチガチと鳴りはじめた、もうこれだけで冷えきっているのが明らかだった。
それでだ、華奈子は美奈子に提案した。
「ねえ、もうね」
「ええ、水風呂出てもね」
美奈子の返事はもう我慢出来ないという感じだった。
「いいわね」
「そうよね、じゃあね」
「今すぐ出ましょう」
「それがいいわね。それでね」
「もうすぐにね」
水風呂を出てすぐにというのだ。
「露天風呂入りましょう」
「それがいいわね」
「これ以上ここにいたら」
「死ぬってとこまではいかないにしても」
「我慢出来ないから」
これ以上水風呂にいることがというのだ。
「だから」
「出ましょう」
「そうしましょう」
二人共飛び出る様に水風呂を出た、まだ小学生であるが二人共そろそろ少女の身体になろうとしている。
その身体で外に出てだった。
露天風呂に流石に飛び込むのは他のお客さんの迷惑なのでそっと入った、そうしてから華奈子は美奈子に言った。
「生き返るわね」
「もう急にね」
美奈子もこう返した。
「そうなってきてるわね」
「あったかくて」
お湯の中がというのだ。
「それでね」
「生き返るみたいね」
「さっきの感覚が嘘みたい」
冷えきったそれがというのだ。
「本当に」
「私もよ。このままね」
「冷えきった身体がね」
「元に戻って」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「あったまってくるわね」
「まだ冷えてるけれど」
「それでもね」
「もう少しでね」
「あったまってくるわね」
「絶対にね」
二人で露天風呂の中で話した、そして次第に身体が温まっていくことを感じだした。それは実に心地いいものだった。
第二百四話 完
2019・10・18
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