暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
秋の夜長にホットなカクテルを・2
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普通のポーカーにしましょう」

 テキサスホールデムってのは、簡単に言うとカジノなんかで楽しまれるポーカーだ。多少ルールが複雑になるから、初心者の弥生が加わるにはちと厳しいだろうしな。戦略性が増してスゲェ面白いんだけどな、テキサスホールデム。興味のある奴は、ルールを調べてやってみるといい。

「チップがねぇからな、レイズやベットは無し。コールかフォールを選ぶ形でいこう」

「OK」

「……ん」

「よっしゃあ!」

 さて、俺の手札は……と。お、Qが3枚、とりあえずスリーカードは確定。このまま突っ張ってもいいが、ウォースパイトの奴は、既にこれ以上の役を持っていてもおかしくない。ここは更に高目の役を狙って勝負だな。

「コールだ」

「当然、アタシもコールさぁ!」

「わたしも」

「ここで降りる臆病者は居ないわよね」

 4人とも勝負だな。んじゃあ手札の入れ換えだ。

「俺は2枚ドローだ」

 Qを残しつつ、2枚をチェンジ。うまい具合に3のペアが来た……フルハウスの完成だ。9つあるポーカーの役の中では上から4番目の強さだから、弱くも無いがそこまで強くもない。

「んじゃ、アタシは4枚チェ〜ンジ!」

「あらジュンヨー、思いきった手に出たわね?」

「へへ〜ん。アタシはこうみえて博打打ちなのさぁ!」

「いや、見た目通りだろ」

 等と、酔って調子が出てきた隼鷹が大博打に出る。

「……3枚、交換」

 弥生も大きく手札を入れ換えた……が、いつもの無表情のせいか感情の起伏が読みにくい。天然のポーカーフェイスって奴だなこりゃ。

「ウォースパイトは交換しねぇのか?」

「えぇ、私はこのままでいいわ」

 余程自信のある手なのか、あるいはブラフか。いずれにしろ俺は降りる気はない。他の3人にも確認したが、勝負するらしい。

「んじゃ、ショウダウンだ」

 手札を一斉にオープンする。

「Aのワンペア……ちぇっ、これじゃあ勝負にならないねぇ」

「10のツーペア……」

「残念だったな、フルハウスだ」

 弥生と隼鷹はこの時点で脱落だ。さて、残るはウォースパイトだが……

「残念だったわね、Admiral」

 ふっと笑いながら、ウォースパイトが手札をオープンする。

「Kのフォーカード……私の勝ちね!」

「あっちゃ〜……ヤな予感はしてたんだが。ま、仕方ねぇな。で、何を飲む?」

「そうね……じゃあ、その『バランタイン』の12年のボトルを貰おうかしら」

「へっ?いやいや、俺が聞いてるのは何のカクテルを飲むかであってーー……」

「あら、だってさっき貴方言ったじゃない。『負けたら奢る』って。『1杯』とも『1本』とも言ってい
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