秋の夜長にホットなカクテルを・2
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。割合はお好みだがオススメはカルーア1に対してミルクが3。後はステアすれば完成なんだが、ここで俺なりの一工夫。マドラーをシナモンスティックで代用する。こうするとステアしている間にシナモンの香りと独特の甘味が溶け出し、深みを与えてくれる。
「ハイよ、『ホット・カルーア・ミルク』だ」
「ん〜、いい香りぃ♪」
「ん、シナモンの香り……好き」
「私は紅茶派だけど……たまにはコーヒーもいいわね」
3人はシナモンスティックで中身をかき混ぜつつ、少しずつ味わうようにマグカップに口を付ける。ホットのカルーアミルクは酒精の効いたカフェオレといった具合で、冷えた身体を温めるのにも向いている。
「それで?何をしていたのかしら?」
カルーアミルクを飲み干し、前のめりになって尋ねて来るウォースパイト。
「なに、ちょっとしたお遊びさ。俺とギャンブルで勝負して、負けたら奢るってね」
「あら、良いわね。勿論私とも勝負してくれるのよね?」
そう言ってニコリと笑うウォースパイト。穏やかそうに見えて、この笑顔の下はとんだ女狐の顔が隠れていたりするんだが。
何を隠そうこのウォースパイト、戦艦の中でもトップクラスの幸運艦だったりする。ウチの鎮守府にも麻雀のルールをロクに知りもしないのに天和をバンバン和了るビーバーとか、スクラッチやると確実に1等を当てる黒髪おさげとか、ちょっと頭の可笑しいレベルで幸運な奴がチラホラいる。ことギャンブル絡みではウォースパイトは無類の強さを誇る。ポーカーでは相手の手札が透けて見えてるんじゃないかと思える位に読みが正確だわ、相手が音を上げるまで倍プッシュで責めてくる等、運頼りではなくテクニックもあるから手強い。俺との勝ち目は五分五分……いや、若干だが俺が押され気味だ。
「ウォースパイトの姐さんが勝負すんなら、アタシも混ざろうかな〜っと♪」
そんな事を言いながら隼鷹の奴は、既にカードを混ぜはじめている。
「おいおい、俺は受けるなんて言ってねぇぞ?そもそも弥生がハブになっちまうだろうが」
そんな事を言っていると、ちょいちょいと弥生にシャツの裾を引っ張られた。
「……やる」
「え、マジ?」
コクコクと頷く弥生。
「へへ〜、決まりだねぇ?」
やれやれ、逃げ場がない。
「わ〜ったよ。やりゃあいいんだろ?やりゃあ」
トランプを切っていた隼鷹が、手札を配っていく。
「それで?テキサスホールデムでやるのか?」
「今回は……そうね、ヤヨイはポーカーをやった事があるのかしら?」
ウォースパイトの質問に、首を左右に振る弥生。
「『ババ抜き』とか『大富豪』はやったことある……けど、ポーカーは、ない」
「なら、今回は
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