第五十六話「突入」
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時は少し遡り数分前。
士道は狂三と共に、天宮市の中心にある大型コンベンションセンター、天宮スクエアの近くまで舞い戻ってきた。
10校合同文化祭・天央祭の舞台にして天宮市大暴動の発生源。
そして、今は精霊・誘宵美九の居城である。
「流石にここにはたくさんいるな」
天宮スクエアを見ることが出来る付近のビルの屋上にて士道は呟いた。
目の前には不気味にライトアップされた天宮スクエアとその前にて夥しい人たちがいた。美九の力にって操られた人たちだ。
と、プロペラ音が聞こえてきて咄嗟に身を隠す。その瞬間報道ヘリと書かれたヘリコプターが飛んでいた。恐らくこの大暴動の報道をしに来たのだろうが既に美九の演奏を聴いてしまっているだろう。その証拠に先ほどから天宮スクエアの周りをあり得ない低空で旋回していた
今一体何処まで美九の支配領域が広がっているのかは分からないが少なくとも天宮スクエアに向かう道中の道には美九の演奏を聴き士道達を探す人たちが徘徊しておりその様はさながらバイオハザードに出てくるゾンビのようであった。
士道も幾度となく見つかりそうになっており狂三がいなければ既に捕まり美九の元に献上されていただろう。
「ここまで来たけれど、ここからどうするか……」
いかにして天宮スクエアを囲むようにいる人々に見つからないように行くか、士道は頭を働かせる。入り口があの調子なら他の入り口も似たような状況であろう。
「入り口がダメなら天井に穴を開けて侵入するか?いや、それだとヘリに気付かれるだろうし……」
「何を仰っていますの、士道さん。そんなの、考えるまでもないではありませんの」
と、士道が考えている脇で狂三があっけらかんとした調子で帰してきた。
「何か方法があるのか?」
「ええ、勿論ですわ。きちんと士道さんを美九さんの元にお送りして見せますわよ。……まぁ、勿論。その後は士道さんの手管次第となりますけれど」
「……本当に、そんなことが出来るのか?」
「勿論ですわ。早速参りましょう。これ以上時間を無駄にしても、状況は悪くなる一方ですし」
そう言うと狂三は立ち上がり、士道を抱きかかえた。
「……え?」
「さぁさ、参りましょう」
そう言うと狂三は屋上の縁に足をかけ特に躊躇することなく飛び降りた。
「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!??」
ビルの屋上からの垂直落下に心の準備が出来ていなかった士道は敵がいるのも忘れ大声を上げてしまう。このまま地面へとぶつかってしまう!士道がそう思った時真下の地面から大きな影が現れ落下してきた衝撃を吸収した。
「あらあら、士道さんたら、大きなお声ですわね」
狂三は可笑しそうにくすくすと笑う。
「い、いいから早く降ろしてくれ……」
「あら、わたくしはこのままでも構
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