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デート・ア・ライブ~Hakenkreuz~
第五十六話「突入」
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いませんわよ」

そう言いつつ狂三は士道を地面へと降ろす。瞬間、二人を幾つものサーチライトが照らし出す。そして大勢の人々が二人を取り囲んだ。
美九の指示待ちなのか襲ってくる事は無いが着々と包囲網が完成していく。中にはガタイのいい者や拳銃を持った警察官の姿もあった。
そこへ。

『……わざわざ私のお城に戻って来るだなんて、随分と余裕があるんですねー。士織さん……いえ、五河士道……っ』

そんな声が響き渡る。スピーカー越しとは言えその声を聞き間違えるはずがない。誘宵美九の声であった。既に美九には士道達の事が伝わったらしい。

『一体なんのつもりか知りませんけどぉ、こうなった以上はもう逃げられませんよー?さ、皆さん捕まえちゃってください。少しくらいなら痛めつけてもいいですけどぉ、出来るだけ丁重に扱ってくださいね。出ないと、私の分がなくなっちゃいますから』

その言葉を残しブツッとスピーカーが切られた。その瞬間であった。

「「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」」」」」

美九に洗脳された男たちが一斉に二人に襲いかかる。流石の光景に士道は一歩後ずさる。そして、一人の男が士道へと掴みかかった。士道はその男と掴み合いながら狂三へと声をかける。

「狂三!このままじゃ……!」
「大丈夫ですわ、士道さん」

狂三がそう言うと同時に士道は体内から何かが抜ける感覚を覚える。それは相手も同じようで掴みかかっていた男は力なく倒れてしまう。
周りを見れば同じように倒れる男たちの姿があった。そして士道はこの光景に見覚えがあった。まだ狂三が来禅高校の生徒として通っていた時の。

「【時喰みの城】……!」
「きひひ、安心してください。一人一人から取っている時間は大したことありませんわ。ただ、人数が人数なので今から摂生すればおつりが来ますけど」

狂三の【時喰みの城】は影を踏んでいる者から時間、寿命を奪い取る結界だ。精霊やその力を封印し、その霊力を己の体内に宿す士道なら大して影響はないが普通の一般人なら意識を失う程強力な物であった。

「兎に角、これで道は開けましたわ。先を急ぎましょう」
「っ!そうだな」

今の士道には狂三の言葉を信じ、前に進む事しか出来なかった。

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