第十二話「決闘」
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にでも参加させるつもりだったか。これでは相手が用意した土俵で戦うことになる。明らかに俺が不利だ。
俺はルナミスさんの力がなければ大した魔術も使えないが相手は今年の学年主席にして既に二重魔術を使える魔術師だ。このまま戦えば敗北は確定となる。……心苦しいが頼んでみるか。
「……放課後、もう一度来てくれ。その時までにこちらの望みなどを確定させておく」
「分かった。一応言っておくが今回の決闘は俺が君の実力を確認したいがために行われる物だ。こちらがなにか要求する事は無いから安心してほしい」
「それはありがたいね」
アルタウスはそれだけ言うと自身の教室へと戻っていく。そして入れ替わりでディートハルト先生が入って来た。
「ん?なんだ。どうかしたか?」
「い、いえ。何でもないです」
「そ、そうです!何でもないですよ!」
ディートハルト先生は状況が分かっていないようで俺が誤魔化すとクラスメイトがそれに続いてくれた。ディートハルト先生はその様子に眉を潜めつつ教壇に立った。
「んじゃ、早速HRを始めるがその前に……。ハルフテル」
「は、はい!」
「お前に決闘状が届いているぞ。相手はAクラスのカール・フォン・アルタウスだ」
どうやら既にディートハルト先生の許可も貰っていたようだ。これじゃ完全に事後承諾じゃんか。まぁ、ディートハルト先生も「目立った以上決闘なんかが来るだろうが俺のところに来る者は全て通すからな」って言っていたな。
ディートハルト先生は口調はかなり投げやりだが生徒思いなせんせいだということはわかる。そしてその言葉も俺なら出来るという信頼の者なんだろう。とは言え最初の決闘が学年主席になるとは思わなかったけど。
「場所は第一競技場、日程は明日の放課後だ。準備しておけよ」
「はい……」
「安心しろ。後で細かいルールなどを教えてやる。それに相手は学年主席だ。決闘の中で見えてくる物もあるだろう」
確かに、実戦程いい鍛錬はないけど最初にしてはいきなりすぎますよ。何で学年主席なんですか?BやCとかじゃないんですか?それだって素の俺からすれば格上なのに。
俺はそう心の中で呟くが決して口には出さずにそのまま飲み込むのであった。
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