第十一話「結果」
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認するか。二重魔術の件から恐らく上位だとは思うけど。どれどれ……
1位エルナン・ハルフテル(G)
2位カール・フォン・アルタウス(A)
3位ウィリアム・アーサー・ハインドマン(A)
4位ヒルトルート・フォン・ペーペル(A)
5位……
「い、1位ぃぃぃぃぃぃっ!!!!????」
「「「「ええぇぇぇぇぇっ!!!???」」」」」
まさかの順位に俺は驚きのあまり声を上げる。2位から21位までAクラスで埋まっている中1位はまさかのGクラス。これに驚くなという方が無理であった。俺はてっきり100位前後と思っていた。しかし、よくよく考えれば全クラスのテストは同じ演習場を使って行われていた。そして演習場を半壊させるほどの威力の魔術を使った物はいなかった。精々が的を破壊しつつそのまま後方の壁まで直撃させた奴がいたくらいだ。
そいつは確か学年主席のカール・フォン・アルタウスだったな。つまり、2位の奴と言う事になる。今頃他のクラスでもちょっとした騒ぎになっているだろう。
「す、すげぇ!Aクラスどころか学年主席をも抜いて1位……」
「もしかしたら俺たちも……」
「俺、Gクラスに入って諦めてたけど希望が見えてきたよ!」
「早速魔術の強化をしなくちゃ!」
クラスメイトは俺が1位を取った事実を喜んでくれた。同時に自分たちにも伸びるチャンスがあると感じたようだ。別にそれが悪い事ではない。魔術師は向上心が命だからな。この調子で皆も頑張って欲しい。
「す、すごいです。エルナンさんがここまでの実力者だったなんて」
「凄いな〜。私も1位になりたい!」
「……おめでとう」
ルナミスさん、レギーナさん、アンネさんの順に声をかけてくれた。ルナミスさんは敬意、レギーナさんは羨望、アンネさんは分からないが本心から言っているのは理解できた。アンネさんはいつも無表情で何を考えているのかは分からない。知っているのはレギーナさんと同じく帝国貴族で家ぐるみで仲が良い事ぐらいだ。
さて、1位を取った事は意外だったが取ってしまったものはしょうがない。諦めて注目の的になるか。心配なのは嫉妬に駆られてよからぬことをするような生となり教師が出て来ないかという点だ。人間は大なり小なり嫉妬や恨みなどの負の感情を持っている。それを抑えられるかは人それぞれだが中には負の感情のままに動く者もいるだろう。
なんにせよそう言った者たちが現れない、最悪でも俺以外のクラスメイトに手を出さないことを祈るばかりだな。
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