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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第230話「パンドラの箱」
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を内包せし可能性は闇に転じ、全てを蹂躙する”」

「……えっ?」

「“……此れを覆すは、人が紡いで来た新たな可能性。鍵となりしは、天の羽を持つ不屈の魂と音を奏でし魂、草の神と共に在る薔薇、天に祈る二人の巫女、緋き雪の姫、守り守られし女神姉妹、叛逆せし傀儡、夢想を追い求める者、そして可能性の半身。十二の輝きが揃う時、堕ちた可能性を止める者あり。さすれば、闇が可能性の光を示し、無限の可能性は再臨せん”」

 一瞬聞き間違いだと緋雪は思った。
 しかし、紡がれる言葉は止まらなかった。
 ……間違いなく、なのはは預言の内容を“読んでいた”。

「なのは、さん……?」

「……読めちゃったんだけど……」

「ど、どうして?なのはちゃんって、古代ベルカ語は読めなかったよね!?」

「う、うん……でも……」

 でたらめで読んだようには、とても見えなかった。
 なのは自身、読めた事に戸惑っている程だ。
 そして、それはなのはだけではない。

「……私も、読めるわ……」

「奏ちゃんも!?」

 奏も驚いた様子で読めると言う。
 どういう事なのかと、二人に緋雪達の視線が集まった。

「……“天使”ね」

「あっ……そっか、神界の事を預言したから、文章も普通じゃなくなった。でも、“天使”が宿ってる二人なら、神界関連の文字も読める……って事?」

「多分、そうだと思うわ。私となのはが読めて、それ以外の人が読めないのなら」

 見るからに文字化けしたような文字を読んだのだ。
 緋雪と奏の言う通りだと、その場の誰もが思った。

「……この際、読めた理由はどうであれ構わないわ。問題は、今なのはさんが読んだ預言の内容よ。一度、書き写した方がいいわね」

〈それなら私が録音しておきました。文字のデータとして映し出します〉

 エンジェルハートがなのはの読み上げた際の音声を記録し、文字として映し出す。
 漢字などはその都度なのはと奏が指摘して変換する。
 そして、改めて預言の内容を確認した。

「……前半は、明らかに悪い事を暗示していますね……。おそらく、文章にある闇はイリスの事で間違いないと思います」

「可能性は……お兄ちゃんかな?最後、お兄ちゃんは可能性についてよく口にしていたから、堕ちたとか、闇に転じたっていうのは……多分……」

 前半部分をまずは読み解いていく。
 分かりやすく世界が危機を迎える事が書かれている事が分かり、おそらく優輝が敵の手に堕ちる事も予想できたため、緋雪は拳を握りしめた。
 なんとしてでも兄である優輝を助けなくちゃいけないと、改めて思っていた。

「後半……私達にとって、逆転の一手となるのでしょうね」

「でも、鍵となる十二の輝きって……誰の事な
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