第7章:神界大戦
第230話「パンドラの箱」
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を内包せし可能性は闇に転じ、全てを蹂躙する”」
「……えっ?」
「“……此れを覆すは、人が紡いで来た新たな可能性。鍵となりしは、天の羽を持つ不屈の魂と音を奏でし魂、草の神と共に在る薔薇、天に祈る二人の巫女、緋き雪の姫、守り守られし女神姉妹、叛逆せし傀儡、夢想を追い求める者、そして可能性の半身。十二の輝きが揃う時、堕ちた可能性を止める者あり。さすれば、闇が可能性の光を示し、無限の可能性は再臨せん”」
一瞬聞き間違いだと緋雪は思った。
しかし、紡がれる言葉は止まらなかった。
……間違いなく、なのはは預言の内容を“読んでいた”。
「なのは、さん……?」
「……読めちゃったんだけど……」
「ど、どうして?なのはちゃんって、古代ベルカ語は読めなかったよね!?」
「う、うん……でも……」
でたらめで読んだようには、とても見えなかった。
なのは自身、読めた事に戸惑っている程だ。
そして、それはなのはだけではない。
「……私も、読めるわ……」
「奏ちゃんも!?」
奏も驚いた様子で読めると言う。
どういう事なのかと、二人に緋雪達の視線が集まった。
「……“天使”ね」
「あっ……そっか、神界の事を預言したから、文章も普通じゃなくなった。でも、“天使”が宿ってる二人なら、神界関連の文字も読める……って事?」
「多分、そうだと思うわ。私となのはが読めて、それ以外の人が読めないのなら」
見るからに文字化けしたような文字を読んだのだ。
緋雪と奏の言う通りだと、その場の誰もが思った。
「……この際、読めた理由はどうであれ構わないわ。問題は、今なのはさんが読んだ預言の内容よ。一度、書き写した方がいいわね」
〈それなら私が録音しておきました。文字のデータとして映し出します〉
エンジェルハートがなのはの読み上げた際の音声を記録し、文字として映し出す。
漢字などはその都度なのはと奏が指摘して変換する。
そして、改めて預言の内容を確認した。
「……前半は、明らかに悪い事を暗示していますね……。おそらく、文章にある闇はイリスの事で間違いないと思います」
「可能性は……お兄ちゃんかな?最後、お兄ちゃんは可能性についてよく口にしていたから、堕ちたとか、闇に転じたっていうのは……多分……」
前半部分をまずは読み解いていく。
分かりやすく世界が危機を迎える事が書かれている事が分かり、おそらく優輝が敵の手に堕ちる事も予想できたため、緋雪は拳を握りしめた。
なんとしてでも兄である優輝を助けなくちゃいけないと、改めて思っていた。
「後半……私達にとって、逆転の一手となるのでしょうね」
「でも、鍵となる十二の輝きって……誰の事な
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ