暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第230話「パンドラの箱」
[4/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
しかし、そこで椿と紫陽による忠告が入る。
 そう。神に目を付けられるだけでは終わらない。
 “人”という枠からはみ出て、一生元に戻れなくなってしまう。
 
「……覚悟はあるのかい?そうなってしまってもいいという、覚悟が」

「………」

 沈黙が下りる。
 危機的状況とはいえ、人を止められるのかと聞かれて応答を躊躇してしまう。
 だが、答えられない訳ではない。

「……あるよ。覚悟は、ある。もう、決まってるよ」

「……そうね。ここまで来て、引き下がれるものですか」

 アリシアが、絞り出すように言う。
 それに追従するように、アリサもそういった。
 さらにそれを皮切りに、次々と紫陽の言葉を肯定していった。

「―――まったく、ここまで言われちゃ、あたしには何も言えないね」

「元より、このままだといけないんだ。……僕らが人の身を捨てるだけで、何とかなるのかもしれないのなら、躊躇いなく人の身から外れよう」

 何度も殺され、心すら蹂躙された。
 その経験から、人の身がどうなどと、最早気にする程の事でもなくなっていた。
 クロノの言った通り、今この場に人の身を捨てる事を躊躇う者はいない。
 いるとすれば、それは神界の戦いに参加していなかった者ぐらいだろう。
 しかし、その一人であるリンディも、それしか方法がないのならば受けいれる覚悟は既に出来ている。



「では、今後の方針は緋雪さんの破壊を使いつつ、態勢を整える事。……そして、万全な準備ができ次第、志導優輝及び王牙帝の両名の救出に向かいます。……よろしいですね?」

 具体的どうするのか、どうしていくのかが決まっていく。
 最後はリンディが締め、会議は終了する。

『艦長!』

 各自が思い思いに席を外している中、リンディに一つの通信が入る。

「どうしました?」

『……聖王教会から通信が入っています』

「っ、すぐに向かいます」

 それだけ言って、通信は終わる。
 慌てたようにリンディは部屋の中を一瞥する。

「はやてさん、ユーリさん、少しついてきてもらってもいいかしら?」

「リンディさん?どうしたんや?」

「何か御用でしょうか?」

 声を掛けられたはやてとユーリがリンディの元へ集まる。
 つられるようにアインスとサーラも同行した。
 ディアーチェ達やヴォルケンリッターは少しばかり離れた場所で待機していた。

「聖王教会からの通信があったの。それで、古代ベルカに関係している貴女達にも同行してもらいたいのよ」

「聖王教会から……もしかして、カリムから?」

「おそらくはね」

 急ぎの通信となれば、相応の用件の可能性が高い。
 そこから、はやての友人でもあるカリム
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ