第7章:神界大戦
第230話「パンドラの箱」
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しかし、そこで椿と紫陽による忠告が入る。
そう。神に目を付けられるだけでは終わらない。
“人”という枠からはみ出て、一生元に戻れなくなってしまう。
「……覚悟はあるのかい?そうなってしまってもいいという、覚悟が」
「………」
沈黙が下りる。
危機的状況とはいえ、人を止められるのかと聞かれて応答を躊躇してしまう。
だが、答えられない訳ではない。
「……あるよ。覚悟は、ある。もう、決まってるよ」
「……そうね。ここまで来て、引き下がれるものですか」
アリシアが、絞り出すように言う。
それに追従するように、アリサもそういった。
さらにそれを皮切りに、次々と紫陽の言葉を肯定していった。
「―――まったく、ここまで言われちゃ、あたしには何も言えないね」
「元より、このままだといけないんだ。……僕らが人の身を捨てるだけで、何とかなるのかもしれないのなら、躊躇いなく人の身から外れよう」
何度も殺され、心すら蹂躙された。
その経験から、人の身がどうなどと、最早気にする程の事でもなくなっていた。
クロノの言った通り、今この場に人の身を捨てる事を躊躇う者はいない。
いるとすれば、それは神界の戦いに参加していなかった者ぐらいだろう。
しかし、その一人であるリンディも、それしか方法がないのならば受けいれる覚悟は既に出来ている。
「では、今後の方針は緋雪さんの破壊を使いつつ、態勢を整える事。……そして、万全な準備ができ次第、志導優輝及び王牙帝の両名の救出に向かいます。……よろしいですね?」
具体的どうするのか、どうしていくのかが決まっていく。
最後はリンディが締め、会議は終了する。
『艦長!』
各自が思い思いに席を外している中、リンディに一つの通信が入る。
「どうしました?」
『……聖王教会から通信が入っています』
「っ、すぐに向かいます」
それだけ言って、通信は終わる。
慌てたようにリンディは部屋の中を一瞥する。
「はやてさん、ユーリさん、少しついてきてもらってもいいかしら?」
「リンディさん?どうしたんや?」
「何か御用でしょうか?」
声を掛けられたはやてとユーリがリンディの元へ集まる。
つられるようにアインスとサーラも同行した。
ディアーチェ達やヴォルケンリッターは少しばかり離れた場所で待機していた。
「聖王教会からの通信があったの。それで、古代ベルカに関係している貴女達にも同行してもらいたいのよ」
「聖王教会から……もしかして、カリムから?」
「おそらくはね」
急ぎの通信となれば、相応の用件の可能性が高い。
そこから、はやての友人でもあるカリム
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