第7章:神界大戦
第230話「パンドラの箱」
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的攻撃……私達のように霊術を扱えるならともかく、魔法だと相当難しい事じゃないの?それって……」
アリシアの言う通り、霊術であれば概念に干渉する方法はある。
しかし、魔法の場合は物理的なものが多いので、概念への干渉は難しい。
「だから、何としてでも覚えてもらうよ」
「……避けては通れないって訳だね」
もう“別の手段を取る”といった遠回りな事は出来ない。
次の戦いまでに、何としてでも皆は概念的攻撃を覚えなければならなかった。
「“格”の差については、私がある程度は何とかするつもりだけど……それぞれで出来るだけの事はしてほしいかな。緋雪ちゃんのおかげで枠組みから外れて強くなれるんだし、もしかしたら“格”を昇華させる必要がなくなるかもしれないし」
「概念的攻撃に関しては、この中だと紫陽さんが一番詳しいんじゃないかな?」
「うーん、かやちゃんも十分詳しいと思うよ?」
「そっか、椿は神の分霊だから、知っててもおかしくないんだったね」
「確かに知ってはいるけど……習得できるかは別よ?」
概念的攻撃に関しては、紫陽や椿を中心とした神関連のメンツが教える事になる。
しかし、“格”の差……つまり、“領域”の強度は懸念が残る。
「攻撃が通じる所まで“格”を昇華させる……つまり、“領域”を強化するんだけど、問題は私と皆の器が耐えられるか、なんだよね」
「可能なのかではなく、“耐えられるのか”が問題なのか?」
「うん。“領域”を認識できたおかげで、そこまで強化する道筋も理解できた。……でも、無茶苦茶な強化には変わりないから、先に体がダメになるのかもしれないんだ」
司の言う懸念に、全員が少し黙り込む。
攻撃が通じるようになっても、その時点で戦闘不能な可能性もあるからだ。
「ま、その点は限界の壁を破壊すれば何とかなるわ。今までは物理的に鍛えても器は変わらなかったけど、緋雪の破壊があればそれも変わるわ」
「物理と非物理の境界が曖昧になるから、だっけ?まぁ、そんな感じだから皆も雪ちゃんの破壊で枠組みを破壊してもらっておいた方がいいよ」
体を鍛えるのと、器を鍛えるのは本来別だ。
肉体を鍛えるだけでも少しばかりは器も強化されるが、本格的に鍛えるのは無理だ。
だが、そんな本来は別アプローチが必要な器の強化も、緋雪が限界と“壁”を破壊する事で、かなり簡略化出来る。
「だけど、忠告が一つ。……一度緋雪に破壊してもらった場合、もう元に戻るとは思わない事ね。最悪、人の枠組みからも外れてしまうわ」
「……椿の言う通りだね。さっきは言い損ねたが、緋雪の力も、それによって齎されるものも、人から外れたものだ。神の目につくのはもちろん、“普通”には戻れないよ」
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