第九話「定期テスト」
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「全員揃っているな?早速HRを始めるぞ」
ルナミスさんに指導をして暫く経った。魔術学院にも慣れ始めていた。そんな中迫ってきている物があった。
「……最後に、前々から言っていた通り明日は月に一度の定期テストが行われる。各々準備は済ませておくように」
担任のディートハルト先生はそれを最後にHRを終え教室を出て行く。先生がいなくなったことでそれぞれが友達と喋ったりするために席を立つ中俺は一人考え事をしていた。内容は先ほど話題に上がった定期テストの事だ。
定期テストの内容はとても単純だ。入学試験時の実技試験と同じく魔術を使うだけだ。半年に一度だけ筆記もあるが入学したばかりのこの時期に行われる物ではないため今は考える必要は無かった。問題なのは実技である。
あのスキルのせいで下級魔術ですら大幅に魔力を消費する。故にテストで好成績を取れるであろう威力、速度、命中などの面からはとても評価されるとは思えなかった。流石に最下位と言う事にはならないだろうが今のままならそれに近い順位になるのは明白だった。
どうすれば威力を上げられる?無理をして中級魔術を使うか?それとも魔力消費が少なくても済む魔術に特化させるべきか?いろいろ頭の中を巡っては直ぐに消えていく。
そして、ふと一つの案が浮かんだ。それは恐らく現状で一番楽で確実な案だろう。俺は直ぐに行動に移すことにした。
「ルナミスさん、ちょっといいですか?」
「はい?なんですか?」
案というのはルナミスさんの呪いを使う事だ。テストの際に俺に触れてもらいその状態で魔術を発動する。そうすれば入学時よりいい成績が得られるだろう。尤も、この方法を使うにはルナミスさんの許可と教師への確認が必要だ。
「明日のテストについてなんだけど。もしルナミスさんが良かったらテストのときに俺に触れてほしんだ」
「えっと……、私の呪いが理由ですか?」
ルナミスさんは一瞬俺に不審な目を向けてきたが直ぐに真相に気付く。確かに今の言い方だと危ない発言に聞こえるな。ちょっと言い方をミスっちゃったな。
「そうなんだよ。ごめんね、少しいい方が変で」
「いえ、構いませんよ。ただ、この方法って大丈夫なんですか?」
「そこはこれから確認するつもりだよ。一応先にルナミスさんの許可を取っておこうと思ってね」
「そうだったんですか。私は良いですよ」
ルナミスさんは笑顔でそう言ってくれる。……可憐だ。
さて、ルナミスさんの許可も貰えたし早速聞きに行くか。
「……成程。確かにルール上特に問題はないな。許可しよう」
ディートハルト先生に聞くとあっさりと許可を貰えた。流石にこんな事は前例がないらしくテストの注意事項がかかれた紙を何度も確認していた。
「ありがとうございます」
「おう。……ただ、人によって
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