第6回 ハロウィン(プニぐだ♀)
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両腕で抱えた軽量バスケットの中には、凡そ一ヶ月かけて集めた素材がこんもりと詰められている。正確には余り物なのだが美味しそうであったため、相談の上こうして食べる許可を取った次第だ。品名は少々、抵抗のあるようなものばかりだけれども。
一度立ち止まって持ち直しながら、長いハロウィンだったなと思い返す。戦闘は毎度避けられず、素材回収もわりと必死なのだけれど、久しぶりの遊園地は懐かしく胸の内でこっそり感謝しておいた。本当はマシュと一緒にアトラクションを回って先輩風を吹かせて、はしゃぐ姿を見られたら完璧だったのにな。
「ああでも、カルデアが毎日ハロウィンみたいなものだよね」
「よお、なーに笑ってんだ」
「うびゃあっ」
何もないところから突然、しかも耳元に声をかけられ肩が跳ねた――というか飛び跳ねた気がする。現に霊体化を解いたプロトタイプのクー・フーリンが震えながら笑いを押し殺そうとしているし、可愛げのない叫びをあげてしまった自覚もあった。半眼で用件を問えば、どうにかこうにか平常を装おうとした返事が聞こえる。
「うまそ、な匂い、がっ……したっくく、」
「はいはい、鼻がよーく利く猛犬さんはそのまま笑い転げててくださーい」
そこまでツボにはまらなくたっていいだろうに。顔を背け足早に部屋へ戻ろうとした背中へ、やっぱり緩みの残った犬の鳴き声がかけられた。
「甘いもんばっかだな」
「仕方ないね」
紙皿にクッキーとラムネとグミを乗せ、パフェとチュロスとポップコーンはそのまま並べていく。備え付けの白いテーブルはそれだけでスペースが埋まってしまった。淹れたての紅茶を彼と自分の手元へそうっと置けば、さながらファンシーなティータイムといったところか。紅茶で口を潤してから、念のためにハズレていなさそうなビームクッキーを摘む。覚悟を決めて咀嚼するも恐れていたような味はせず、ありふれたバターの香りが広がっただけだった。安堵に胸を撫で下ろした向かい側では、ランサーがミサイルラムネやドリルグミをぽいぽい口内へ放り込んでいる。見間違いでなければ時々ひとまとめで胃に収めてしまっているようだが……いいのかそれで。呆れ混じりに眺めていたことに気付いた彼からの不思議そうな視線へ首を振ってから、気になっていたカナボーチュロスへと手を伸ばした。ふふ、実はチョコが溶けない程度に温めておいたんだ。絶対、美味しいに決まっている。
「ところでマスター。お前さんは仮想しなくていいのか?」
「ほあ? むぐ……うん、いいの」
多めの一口分を齧り取ったタイミングで話しかけられれば変な声が出てしまうものだ。んん、ところで少し前のわたしを褒めたい。出来立てには及ばないけど、温めたのは大正解だ。チョコがかかっている部分もチュロスそのものとの相性抜群で幸
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