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俺様勇者と武闘家日記
第1部
ロマリア〜シャンパーニの塔
王様の秘密
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のか……?」
 ナギですら、驚嘆の声を上げている。
 裏の顔どころか、あんなことをみんなの前で堂々とするなんて、ある意味大物なんだなと思った。今までユウリを取り巻いていた女性たちは、皆冷めたのか各々散っていった。
 そして私は、ふとあることに気がついた。
「ねえ、このままユウリがロマリアの王様になっちゃったら、この国滅びちゃうんじゃない!?」
 私の意見に、二人ははっと気づいたように目を見合わせた。
「ミオの言うとおりだ! あいつがこの国の王になったら、確実にロマリアは滅びるぞ!!」
「ユウリちゃんが王様になっちゃったら、この国のお酒全部持ってかれちゃうかも!!」
 私たちの顔がみるみる青ざめていく。
「こうなったら、前の王様に戻ってもらうしかないよ!!」
「そうだな! こうしちゃいられねーぜ!!」
「あたしもがんばるー!!」
 一致団結した三人は、前ロマリア王を探すため、各自別れて捜索を始めることにした。

 だが、それから2時間ほどたっても、前ロマリア王を見つけることは出来なかった。
「駄目だ、噴水からずっと向こうまで探してきたけどいなかったぜ」
「ぜえ、ぜえ……。わ、私の探してた場所も、全滅だった……」
「お前そんなに息切らすほど探してたのか!?」
 だって、ユウリだったらやりかねないと思って……。ああ、息が切れて声が出ない。
「し、シーラは?」
 息を整えた後、私はシーラがいまだやってこないことに気がついた。確かこの噴水のある広場で一度落ち合う予定になっていたのけれど。
「さあ? まだ見てねえけど」
 きっとまだいろいろな場所を探しているんだろう。私はシーラが戻ってくるまで少しここで一休みすることにした。
「くそー、前の王様はいねーし、またあいつの傍若無人な振る舞い見ちまったし、ホント今日は最悪だぜ」
「ナギもユウリ見かけたの?」
「ああ。今度はあいつ、武器屋で値切ってたぜ。さすがに店の親父も命がけで断ってたけど」
「うわー。何かもう聞いただけで想像つくよ」
 私は午前中の光景を思い出して、目の当たりにしなくてよかったと心底思った。
「ていうかお前もあいつ見たのか?」
「うん。探している途中に酒場を通ったら、中でユウリの声がしたの。もめていたみたいだから、たぶんナギが見たのとおんなじ光景だったと思うよ」
 けどユウリってば、酒場ですらタダでご馳走してもらうつもりだったのかな。だとしたら相当ケチだと思う。ちなみに酒場と言ってもお酒だけ提供しているわけではない。昼間はランチなどの食事もあるので未成年の私でも酒場には入れるのだ。
「けど、そもそもなんで前の王様はユウリに王位を譲ったんだろうね?」
「知らねーよ。まず間違いないのは王様の判断がロマリアの存亡の危機を招いたってことだけだ」
 確か
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