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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第肆話 火喰い鳥-クワッサリー-
4-1 桐島カンナ
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みれと話すのも久しぶりだからつい、な」
「ふん…」
二人の間に漂い出した な空気を不快に感じてか、アイリスが二人を咎める。ケタケタ笑うカンナに反して、すみれは面白くなさそうにそっぽを向いた。
「で、最後にあんたが…」
カンナは次に、ジンの方へと目を向ける。
「米田…ジンといいます」
「米田…!そっか、あんたが米田支配人の…」
同じ苗字ということもあり、彼女は目を丸くしながらジンを凝視する。
「意外だったぜ、まさか米田支配人に子供がいたなんてよ」
「養子ですけどね」
カンナにとっても、米田が実は子持ちだったという事実は驚きだったらしい。ジンは謙遜するように一言付け加えた。
「相変わらずね、カンナ。ずいぶん遅かったけど、無事に帰ってきてくれてよかったわ」
他の花組の会話を聞きつけてか、マリアが彼らのいる舞台へ来訪した。
「おぉ!マリアも久しぶりだな!いやぁ、実は沖縄から乗ってきた船が妙な事故を起こして沈没しちまってさ。帝都まで泳いできたんだ」
「「沖縄から泳いで!!?」」」
船の沈没に巻き込まれる。そんなことがあっては近くに別の船でも通りがからないかぎり、まず助からないはずだ。だというのに、彼女は沖縄から帝都までの長距離…大日本帝国の本州の半分近くの距離を泳いで渡ってきた。事実なら、もはや人間離れしているとしか思えない。
「方角も途中で分かんなくなってさ、たどり着くまで大変だったもんさ」
なのに後頭部を撫でながら大声で笑い飛ばすカンナ。
「そのまま海に永住して海賊王でもやってらっしゃればよかったのではなくて?」
「にゃんだとぉ?なんだってあたいが海賊王なんかにならなきゃいけねぇんだよ」
(海賊王…ねぇ…)
嫌味をふっかけるすみれと、それを受けて憤慨するカンナのやり取りを聞いて、なぜかジンの頭の中に麦わら帽子に赤いノースリーブを着たカンナの姿が浮かび上がる。
…なぜだろう。あまり違和感がない。いっそそれを題材にした新たな舞台でも見せられるのではないかとさえ思った。
「あ、そうそう、帰ってきた記念に飯、あたいの方で作っといたぜ。」
「わーい!カンナの料理久しぶり〜!アイリス、ちょうどおなか減ってきた!」
カンナの手料理と聞いてアイリスがはしゃぎだす。彼女の反応から察するに、結構な腕前とみられる。
「沖縄料理と上海料理を組み合わせたスペシャルな奴だ。うまいぞー!」
楽しそうにいうカンナだが、すみれは話を聞いてぎょっとした。元々実家が神崎重工という財閥でもあるすみれ。料理に関しても口うるさいが、見識の幅もまた広い。それだけに、ヘビーな組み合わせを耳にしてげんなりとしている。
「へぇ、それは楽しみですね。僕は初めてだ」
「俺も上海料理とかは口にしたことがないな」
「あたしもちょっと興味ありますね。どんな料理かしら
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