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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第肆話 火喰い鳥-クワッサリー-
4-1 桐島カンナ
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で追った。
長身の大神やマリアよりも高く、赤い髪に鉢巻を巻いて、日焼けした小麦色の肌、そして力強くも女らしさを失わない魅力を放つ女性が、大神を押しつぶそうとした柱を軽々と片手で支えていた。
「そこのあんた、早くロープで上げてやんな」
「え?あ、はい!」
赤髪の女性に言われ、さくらはすぐさまロープを巻いて引っ張り上げる。とはいえ、大神でも支えきれないほどの重さ。すぐにジンも駆けつけ、彼女と一緒に柱をロープで引っ張り上げた。
「ふぅ…助かった」
「大丈夫ですか大神さん!」
さくらが、腰を下ろして一安心する大神のもとに駆け付ける。
「あれくらい片手で十分だろ。だらしねぇなぁ」
赤髪の女性はニカッと笑いながら大神を見下ろす。
「あ、あの…君は?」
降りてきたジンが、見覚えのない女性に何者かを問うと、彼女のもとにアイリスが人懐っこく駆け寄ってきた。
「カンナ!!」
「か、カンナさん…」
どこか引き気味ですみれも彼女の名を呼ぶ。
「カンナって…もしかして!」
かすみが言っていた。マリアには、同じ花組の最古参メンバーがいると。もしやこの女性が…すみれに目を向けると、やや気まずげにすみれは頷いた。
「え、ええ。彼女は桐島カンナ。一応…花組のメンバーですわ」
「一応ってなんだよ一応って。…まぁいいか。よう、ただいま!」
「おかえりカンナ!!」
「アイリス〜!はは、前よりも背が伸びたんじゃないか?」
親戚と久しぶりの会合に喜ぶように、カンナはアイリスを抱き上げて高い高いした。高く持ち上げてもらってアイリスも喜んでいる。
「見ない間に、顔ぶれも増えていったな。あんたは確か…」
「俺は大神一郎。花組の隊長をやっているよ」
「へぇ、やっぱりあんたが隊長さんか。米田支配人から聞いてるぜ」
自己紹介をした大神に、カンナは手を伸ばして握手し、自分もまた自己紹介をする。
「聞いてると思うが、あたいは桐島カンナ、花組の隊員沖縄桐島流空手の二十八代目継承者。よろしくな!んで…そっちのあんたらは…」
彼女は次に、さくらとジンの二人にも目を向ける。
「春に、花組に入隊しました真宮寺さくらです!よろしくお願いします、カンナさん!」
「おう、よろしくなさくら」
さくらとも握手を交わし合うと、カンナはすみれにニヤケ顔を向けてきた。
「ライバル登場ってわけだな。こいつはうかうかしてられねぇな、すみれ」
「ちょいと…どういう意味ですのカンナさん?私がこんなド新人に遅れるとでも?」
「へっへっへ…帝劇のトップすたぁなんて言えるのも今のうちかもしんないぜ?」
まだ入隊したての身であるさくらと比べられたのが不本意らしく、目を吊り上げるすみれに対し、カンナは挑発的な笑みを崩さない。
「ああもう、二人とも喧嘩しちゃダメだよ!」
「へへ、悪い悪い。す
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