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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第肆話 火喰い鳥-クワッサリー-
4-1 桐島カンナ
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ところなんですが、別件が多くてお手伝いができないので…」
「なるほど、それならすぐに行きます」
「助かります。こういったところでも花組のみなさんのお力添えになりたかったのですが…」
「ルイスさんたち奏組には、奏組の役割があります。奏組の任務は、花組のみんなの苦労を軽減してくれてますから」
奏組の役目は、花組が出るまでもない、弱い力の降魔を討伐すること。もし奏組がいなかったら、その分だけさくらたち花組の負担が大きくなる。小さい個体から、先日も現れた魔獣クラスのビッグサイズの個体も相手にしなければならないことを考えると、奏組はなくてはならない存在だ。
「ありがとう、ございます…」
ルイスは気を使われてしまったか、と気まずげな笑みを浮かべた。
「そういえば、マリアさんが台詞を間違えたってかすみさんから聞いたんですが…」
「あぁ、それは私も知っています。ちょうどその時、私たち奏組も演奏中でしたから、途中で誰かが台詞のミスを起こした、ということはすぐにわかります。私たちの間でも、マリアさんの完璧主義姿勢は知れ渡っていますから、正直驚いています。何かあったんでしょうか…」
奏組でもマリアがどんな人物なのか伝わっており、それだけにマリアの演劇中のミスは衝撃だったらしい。
この日も、街のとある場所に小型降魔が出たため、ルイスとはこの後すぐに別れた。
さて、舞台の修理の手伝いだったな。ジンは舞台の方へと向かうが、そこでガタン!と大きな物音を耳にした。
「!」
舞台の方から聞こえた。何かあったのだろうか。急いで駆け出していくと、舞台の太い柱が倒れかけ、それを大神が必死こいて倒れぬよう支えている姿が真っ先に見えた。他の花組の面々も集まっている。
「お兄ちゃんファイト!」
「少尉、決して放してはなりませんわよ!!」
「うぐぐぐぐ…お、重い…!!」
アイリスとすみれの応援も受けつつ気張る大神だが、既に限界が近そうだ。
「大神さん、もう少しだけ耐えてください!上からロープで釣り上げますから!」
「た、頼むぞ…さくらくん」
さくらが高台からロープを持って大神を助けようとするが、さくらが引っ掛けようとしたところで、ついに大神に限界が来てしまった。
「ぬうう…もう…だめ、だ…」
大神から力が抜けてしまい、柱が倒れだした。
「いけない!」
ジンはとっさに走り出した。せめて大神を柱の下から突き出さなければ。だが、あまりに重い柱の方が倒れる速度が速すぎた。
ジンが追いつく前に、重い柱が彼を押し潰して…

……と思っていた時期が皆にもありました。

ただ一人を除いて。

「おいおい、大丈夫かよ?隊長さんよ」
「へ?」
いつまでも衝撃が襲ってこず、聞きなれない声を耳にして大神は目を恐る恐る開け、ジンは足を止め、花組の面々はその声の主を目
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