破壊の権能
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ソ野郎の心臓を握り潰しても、どんなに心を殺しても・・・
目を閉じれば死んだ者たちの叫びが聞こえてきそうだった。
戦っている時だけが何もかも忘れられたのに・・・
「そこまでして、何の意味がある!!」
「・・・せぇ」
喉から僅かに漏れる声を吐くシオンにバーデンは再び聞き返した。
「あ?」
次の瞬間、シオンは叩きつけるかのごとく大声を吐き出した。
「うるせえ!うるせえ!うるせえ!うるせえ!うるせえ!うるせえ!うるせえ!うるせえ!うるせえ!うるせぇえええええッ!!!」
「なッ!?」
「さっきから死にたがってるだのなんだの言いやがって、命をもって罪を償う?寝ぼけたこと言ってんじゃねぇよ!テメェが死んだところで何にもなりゃしねぇ!お前が死ねば殺した奴らは報われるのか?お前が死ねば罪は償われるのか?そんなモンあるわけねぇだろが!!」
「シオン・・・」
叫び続けるシオンに皆圧倒されて聞くしかなかった。
「人を殺した以上、その罪は死んでも付き纏う。痛ぇし、苦しいし、吐き気がするほど気持ち悪い。だがな、それでも生きていかなきゃなんねぇんだよ!殺した奴の怨念が聞こえても、どんなに後ろ指刺されても!」
俯くシオンの表情は誰にも見えない。しかしその影から数滴の滴が溢れたのをバーデンは見た。
「お前・・・」
「意味があるかと聞いたな?だったら答えてやる、それは・・・」
そう言って胸を拳で強く叩き、叫んだ。
「心臓はまだ動いてる!目も見える!足も動く!それだけでお前は!《シュー・皇》は生きる意味がある!!」
「ッ!!」
「見せてやるよ!これが、お前に勝つための《二星目》だ!!」
その時、小島の周りの湖が突如波打ちだした。
大きな水飛沫を上げる中、シオンは腕を前に突き出した。
「永遠に謳うは乙女の調、惑い憂うは湖の剣、星の調に幕を開け《セイル・スロット》!!」
水はシオンを包み、鎧となって姿を現す。
それは先程の《金剛毘沙》とは異なり、美しいを流線美纏っていた。
「さあ、切り結ぼうぜ!!」
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