第7章:神界大戦
第229話「前を見据えて」
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来ただけよ」
しかし、二人は平気そうにしていた。
奏の言う通り、“向き合う時”が来たのだ。
「……そっか。もう、心配ないんだね」
「そうよ」
実際に対話した事を、司は知らない。
それでも、奏の目を見れば心配の必要がない事は分かった。
『なのはさん、少しいいかしら?』
「リンディさん?」
いざ体の調子を確かめようとした時、なのはにリンディから通信が入る。
『フェイトさんが目を覚ましたそうよ』
「っ!分かりました、すぐに向かいます!」
重傷者の一人だったフェイトが目を覚ます。
その知らせを聞いて、なのはは飛び出すようにフェイトの元へと向かった。
「フェイトちゃん、目を覚ましたの?」
「うん!ごめん奏ちゃん、また後で!」
「いえ、私も行くわ」
「私達も行く?」
「そうね」
「行こー行こー」
なのはにつられるように奏や司、緋雪達全員もついて行く。
「フェイトちゃん!」
「なのは……」
「……随分、大人数で来たね」
部屋に辿り着くと、そこにはフェイトだけでなくリニスやアリシアもいた。
アリサとすずかも先に来ていて、さすがに部屋がいっぱいになる。
「あー、私達は出ておくわ。同年代同士や家族の方がいいでしょ」
「あ、じゃあ私も扉の前にいておくから、落ち着いたら呼んでね」
そこで、すぐさま椿と葵が遠慮して部屋を出る。
それに倣って、司も外に出ておく。
「……かなり恐怖を抱えていたわね」
「……そうだね」
外に出た椿と葵は、壁にもたれつつフェイトを見た感想を言う。
「やっぱり……。フェイトちゃんから感じた感情、かなり乱れてたから……」
感情に鋭い司も、同じような意見だった。
「……そうだよね。あんなに何度も殺されたのだから、トラウマになってもおかしくはない。私だって、優輝君を助ける気持ちがなかったら、絶対に挫けてた」
「ええ。でも、私達も、緋雪も、奏も、何人も立ち上がったわ。フェイトも、大丈夫なはずよ。きっと、立ち上がってくれる」
「そうなの……?」
フェイトとは特別親しくしている訳ではないが、椿は断言する。
そのため、本当なのか司は聞き返した。
「私はフェイトの魂に触れた事があるわ。貴女が神夜と戦った日にね」
「あ……あの時の」
司が珍しくキレ、神夜を痛めつけた日。
あの時、椿は神夜の魅了を解くために、フェイトの魂に触れていた。
「だから、分かるのよ。彼女は繊細に見えるし、実際に繊細な部分もある。……でも、とても我慢強いわ。そして、周りに支えてくれる人がいるなら、きっと乗り越えられる。そ
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