第7章:神界大戦
第229話「前を見据えて」
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奏ちゃんだよ」
―――“破綻せよ、理よ”
驚くなのはと奏を余所に、緋雪は次に奏に手を翳す。
そして、同じように“瞳”を握り潰した。
「っ……?これは……?」
「“限界”の破壊だよ。それと、もう一つ……!」
その後緋雪は二回も“瞳”を握り潰す。
“パキン”という音が、二人の脳裏に響いた。
「神界と私達。その間にある決定的な“壁”の破壊」
「さっきまでより早くなってるわね」
「連続だからだよ。やっぱり、集中する必要はあるみたい」
先程までより、集中する時間は短くなっている。
しかし、それは“捉え方”が分かって来ただけで、強く集中するのは変わらない。
「えっと、何をしたの?」
「緋雪の言った通りよ。一回目は“限界”の破壊。これで鍛えれば限りなく強くなれるわ。そして、神界と私達の間に存在する決定的な差。その“壁”の破壊よ。これで、“格の違い”って言うのをはっきりと理解出来るでしょう?」
椿の説明を受けても、なのはは理解しきれずに首を傾げる。
少しして、ようやく理解が及び、“えっ”と言って固まった。
「今のままではいけないから、限界を超える。言葉にするのは簡単だったけど、実際に為そうとするのは至難の業。……それを、緋雪は解決できるようになったの」
「それが……今の“破壊”」
「神の権能に匹敵……いえ、それ以上の力を持つわ。それこそ、神界の方の神と同等よ。だからこそ、私達に勝ち目が生まれる」
「今までは“格の違い”が何がどうなって、どうすれば追いつけるのか分からなかったけど……今なら分かるでしょ?」
続けられる椿と葵の説明に、なのはと奏は驚きを呑み込むように喉を鳴らす。
「……うん。それに、もしかしたら今なら神界の存在に攻撃が通じるかも……!」
「さすがにそれは……」
“まだ無理だろう”と、司は苦笑いして……その笑みが引き攣った。
なのはと奏から微かに漏れた魔力を感じて、“格”が違うと確信したからだ。
“格の違い”を理解出来る今だからこそ、気づけた事実。
さすがに神界の存在にそのまま通用するとは思えないが、少なくとも神降しをした優輝よりはかなり上の“格”だった。
「あ、貴女達、その“格”は一体……?」
司以外も気づいたようで、椿が尋ねる。
そこで、司は思い当たる事があった。
「……もしかして、“天使”……?」
「……うん」
「だ、大丈夫なの?」
“自分であって自分じゃない”。その感覚は表現しがたい恐ろしさがある。
その事が心配で、司は二人に問いかける。
「大丈夫だけど……?」
「……いつかは向き合う必要がある。その時がもう
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