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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第12話:賑やかさの裏で
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響は、思わず天に祈った。もうこの際ノイズでも何でもいいからこの雰囲気を壊してくれと。
その結果────かどうかは定かではないが、突如として翼の携帯がコール音を鳴らした。
「ッ!? はい、こちら翼」
素早く通話に出る翼に、携帯の向こうに居る弦十郎はノイズ出現の報を知らせた。
『翼、ノイズが出現した。その場に全員居るか?』
「いえ、奏と立花は居ますが、明星さんは──」
「おぅ、居るぞっ!」
「…………居ます。全員揃いました」
弦十郎からの問い掛けに、翼は咄嗟に颯人がこの場に居ない事を告げようとしたが彼は翼が全てを言い切る前に曲がり角の向こうから飛び出してきた。
タイミング的には恐らく、この場を離れたフリをして奏と翼の様子を窺っていたのだろう。若しくは、この様な状況になる事を見越していたのかもしれない。
何にせよ、今この状況で彼がこの場に居る事は彼女達にとって大いにプラスに働いた。
何故ならば────
『よし。ノイズが出現したのはリディアンから距離およそ五百の住宅街だ。今、颯人君の端末に詳細な位置データを送信する』
直後、颯人が持つ専用の端末にノイズ出現地点に関するデータが送信されてくる。颯人はそれを眺めつつ、右手の中指に嵌めた指輪をテレポート・ウィザードリングに変えた。
これこそ颯人が二課に所属するようになって大いにプラスに働くようになった要素である。
彼が3人の装者と行動を共にしている場合、突発的にノイズが出現した時にも極めて迅速に現場に駆けつけることが出来るようになったのだ。
流石に彼が近くに居ない場合に関しては、従来通りの移動方法になってしまうが、それでも彼と行動を共にしていた場合の移動速度は迅速とかそういうレベルを超えていた。
何しろ文字通りの瞬間移動である。正確な場所さえ分かればどこへでも移動できるのだから、一分一秒を争う状況が多い二課にとってこれほど頼りになる存在も居ないだろう。
颯人が端末でノイズの出現位置を確認している間に、装者3人は彼の周りに集まる。
「響、今回は翼と組め。離れ過ぎないよう注意しろよ」
「はい! よろしくお願いします、翼さん!」
「……あぁ」
彼の周りに集まった装者3人は、簡単に作戦会議を行う。と言っても、響の面倒を奏と翼のどちらが見るかと言う程度の話し合いだが。
前回の戦闘では奏が響の面倒を見たので、今回は翼が響とチームを組む事になったらしい。響は翼とチームを組む事に気合を入れるが、対する翼は少し覇気が足りていなかった。
先程までの棘のある雰囲気は形を潜めているが、心の中に燻ぶる暗い感情を完全に押し殺せてはいないようだ。
颯人はいち早くその事に気付きはしたが、今はまだ大きな問
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