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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第12話:賑やかさの裏で
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をしている。
「あの、翼さん? 大丈夫ですか?」
「えぇ…………私は何も問題ないわ」
そうは言うが、響にはとてもそうは見えない。
現に今も、手品の種明かしに興味津々な奏と、その奏に得意げな笑みを浮かべている颯人の様子に青筋を立てかけている。
もう今にも飛び出して、2人の間に割って入ってしまいそうだ。
本当は、翼は今すぐにでも奏から颯人を引き剥がしたかった。
だが彼女がそれをしないのは、単に奏にとって彼がどういう存在かを翼も理解しているからに他ならない。
5年前、奏が二課に所属し翼が彼女と装者としてチームを組んだばかりの頃。
あの頃の奏は遮二無二強くなることと同じくらい、颯人を探すことに躍起になっていた。それこそ時には寝食を削ってまで情報収集に努め、そして少しでも怪しい情報を手に入れたら僅かでも暇を見つけてその情報の真偽を確かめに赴いた。
その結果は知っての通り散々であり、その度に奏は荒れていた。
それほどまでに焦がれていた相手と漸く再会できたのだから、少しでも長く共に居たいと言う気持ちは理解できる。
理解できるのだが…………頭では分かっていても心がどうしても軋みを上げてしまうのだ。それが心をささくれ立たせ、気付けばイライラを周囲に撒き散らしていた。
当然翼が苛立っている事は颯人も気付いている。故に、彼は頃合いを見計らって奏の傍から離れることにした。
その際、奏に翼のフォローを入れるよう言っておくことを忘れない。
「んじゃ、俺はちょいと用事があるんで、一旦失礼するよ──《small》もちっと翼ちゃんに構ってやんな《/small》」
「えっ!? あ、あぁ……そっか。そうだな……」
手をひらひらと振ってその場を去る颯人の背を、翼はジッと睨み続けていた。
そんな彼女の様子を改めて眺めて、奏は自分のここ最近の行動を見返した。そして、翼の性格を考えて自分の失態に気付き気まずそうに頭をかいた。
未だに颯人が去っていった方を睨んでいた翼は気付かなかったが、響の方は奏の様子に気付き縋るような目を彼女に向けた。
──お願いです! 翼さんを何とかしてください!!──
目線だけで響がそう言っている事を察した奏は、声に出さず乾いた笑いを浮かべると自分の頬を張って気持ちを切り替え翼の隣に移動した。
奏はドスンと音を立てる勢いで翼の隣に腰掛けた。そこで漸く翼も奏が自分の隣に移動してきていたことに気付いた。
「か、奏?」
「…………」
何の前触れもなく隣に腰掛けた奏に翼が困惑してそちらを見やると、彼女はバツが悪そうな顔で鼻っ柱をかく。まだ何を言うべきか迷っているのだろう。
基本思ったことをズバズバ言うタイプの彼女にしては珍
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