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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第12話:賑やかさの裏で
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颯人が二課に所属してから、早くも数日が経過していた。
それからの最大の変化と言えば、やはり二課が全体的に賑やかになったという事だろう。誰ともすぐに気安く話せてしまう彼は瞬く間に二課の職員達と親しくなり、歳の差があるにもかかわらず気安く話が出来るだけの間柄になっていた。
だが何よりも二課が全体的に騒がしくなった原因と言えば────
「待て颯人ぉぉぉぉぉっ!?」
「うおぉぉぉっ!? 今日は速いな、おいッ!?」
「今日は朝から絶好調だッ! 観念しろ颯人ッ!!」
「にゃろぅ、負けて堪るかッ!!」
どう考えても毎日の様に行われる、奏と颯人による追跡劇だろう。
タイミングは異なるが、一日一回は必ず颯人は奏に何かしらの悪戯を仕掛ける。しかもそれが、なかなかに手が込んでいるのだ。
得意の手品を用いて、本当に一瞬気付かないレベルで、それでも気付いてしまえば物凄く主張してくる悪戯を毎日の様に奏に仕掛けていた。
例えば、ある時などは颯人から奏に手渡された缶コーヒー──それも自販機から出した直後の奴──が全く同じ外見をしたビックリ箱になっている事があった。すぐ近くで颯人が缶を取り出す瞬間を見ていた翼も入れ替わった事に全く気付く事が出来ず、奏は缶のプルタブを開け派手な音と共に飛び出したビックリ箱の中身に凄まじく無様な悲鳴を上げてひっくり返ってしまった。
その様を見て颯人は大笑いし、見事に悪戯に引っかかってしまった奏は憤怒の表情で彼を追い掛け回した。
このようなことがほぼ毎日起こっているのだ。そりゃ賑やかにもなる。
とは言え、彼は別段何時もふざけている訳ではない。現についさっきまで奏に追い掛け回されていたと言うのに────
「なぁ颯人ぉ〜」
「ん〜?」
「暇〜、なんか新作無いの?」
「どれ、このカードをよく見てな」
「んん?…………おぉぉっ!」
今は休憩所のソファーでだらけた奏に、新作のカードマジックを披露している。
左手の親指と人差し指で挟んだトランプのスペードのAを右手の人差し指で撫でると、絵柄は一瞬で変化しハートのQになる。目の前で行われた鮮やかな手品に、奏は目を輝かせた。
その様子を、翼と響は何とも言えない表情で眺めていた。
特に翼は複雑そうだ。
無理もない。颯人が合流してからというもの、奏は彼と行動を共にしていることが多くなったのだ。
流石に二課本部から離れた時はそうでもないが、本部内に居る時は大体2人は一緒に居る事が多い。
翼はどうにもそれが面白くなかった。まるで自分の居場所を取られたような、そんな気になったのだ。
自然と、翼の颯人を見る目は険しいものになっていた。翼から放たれる苛立った雰囲気に、隣の響も堪らず居心地の悪そうな顔
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