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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十一話 フラグは立てて回収するもの(時たま忘れる)
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を突き出し、司狼とティトゥスを貫こうとする。二人ともすぐさま拳銃を構え左右に分かれる。ヴィルヘルムは突き出した右手を引っ掻くように右に振り回す。ティトゥスはそれを受け吹き飛ばされる。と同時に瓶をヴィルヘルムに向かって投げつける。
ヴィルヘルムはそれを避けようと首をずらすが司狼はそれが何なのか理解して銃でそれを撃ち抜く。

「一人でトチ狂ってんじゃねえよな」

「勝手に俺らみたいな他人を測ろうとするなよ。他人に対して期待はずれだと思うなら一人でオナニーでもしていなよ」

「―――あァ?」

突如広がる爆風。炎の熱気と共に広がるのはアルコールの匂い。それはガソリン或いは灯油を瓶に入れて瓶の中身を引火させるだけで燃え上がる火炎瓶だ。ヴィルヘルムが吸血鬼特有の弱点を持っていることから手榴弾よりも威力では劣るが火力という面で勝る火炎瓶を投げつけた。無論、この程度で終わるとは誰も思っていない。ティトゥスは更なる反撃を行うために「ワルサーカンプピストル」を構える。元々は信号弾を発射する拳銃に単発のグレネード弾を取り付けた銃であり『物質生成(Die Generation des Materials)』によってリロードを行う必要の無い彼に取って相性の良い武器だ。当然、ヴィルヘルムを相手取るために使っている弾は火炎グレネードだ。

「そこで埋まっていな」

マシンガンのように連続して放たれる弾丸。爆風によって見えない上に炎上しているその場所は既に人が耐えて入れるような場所ではなかった。だが、それはあくまで唯の人に限った話だが。

「なあ、何勘違いしてるんだ?」

「グッ!?」

炎の中から現れたヴィルヘルムに首を絞められる。その体は火傷の跡など一切無く、少なくとも見た目では全く傷ついているようには見えなかった。

「テメエのそのバカスカ撃つことしか考えねえ頭にも分かるように言うとよォ、俺が吸血鬼になるのは創造のときだけだ」

彼は未だに創造を行っていないどころか杭すらだしていない以上、吸血鬼の弱点が現れることは無い。しかし、ティトゥスは首を掴んだヴィルヘルムに対して笑みを浮かべる。

「知ってるよ。俺の目的は君のその矮小な視野をさらに狭めることなんだから」

「ぶっ飛べエェッ―――!!!」

横から現れた司狼の拳銃から放たれる銃弾に吹き飛ばされるヴィルヘルム。ティトゥスも共に吹き飛ばされるが作戦通りだ。ティトゥスが相手の目を精一杯引き付けその隙を狙って溜めた一撃を放つ。単純だがその策が成功したことを確信する。斃してスワスチカが開くことは痛いが、どちらにせよいつかは斃さねばならない敵。であれば少しでも速いうちに一人でも多く斃すのが正解だと司狼は確信している。
最初の会話もプラフ、勿論逃げれるなら逃げるが斃せたほうが利点が
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