第五章 仲間
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がさらさら金色の粉のようになって空気へと溶け流れ、
アサキは、一瞬にして、全裸になっていた。
「えっ、えーーーーっ!」
叫びながら、手をわちゃわちゃ動かして、身体のあれやこれやを隠そうとする。
顔を真っ赤にしながら、また叫んだ。
「余計なことするんじゃなかったああああああ!」
クラフトはただのリストフォンじゃないのに……だからきっとクラフトが混乱しちゃったんだ。
それで変身が解除されちゃったんだ。
考えなしに、馬鹿なことをしてしまった。
素っ裸のまま、身体を縮こませるようにしながら、走ってその場を逃げ出した。
こ、こんな姿でっ、ヴァイスタと戦えるはずがないっ。
仮に戦えようともっ、は、は、恥ずかしすぎて、戦えるはずがないっ。
そんなアサキの思いなど関係無しに、ヴァイスタがずんずんとこちらへ迫って来る。
真っ赤な顔でアサキは振り向き、余計に真っ赤になって前を向き直り、そして叫んだ。
「追ってこないでーーーっ!」
恥ずかしいから!
追ってもいいけど、せめて、見ないでええ!
胸の内と外とに叫ぼうとも、聞き入れてくれるはずもないわけだが。
ヴァイスタにとっては、秘める魔力さえ高ければ獲物は弱いほどよいのだから。これほど食らうに適した獲物はそうそうないというものだ。
走るためにはもう隠してなどいられないが、でも、あまりの恥ずかしさに、やはり身体を縮こませながらでとても全力では走れず。
そのためか、ヴァイスタが歩く速度の方が、僅かに速く、既にすぐ後ろ、もう追いつかれてしまいそうだ。
「も、もう……」
もうダメだ。
わたし、
異空で、しかもこんな恥ずかしい格好で死ぬんだあ。
なんだったの、この人生。
と、諦め掛け、ちょっと、いやかなり情けない気持ちになっていた時である。
「え?」
自分の身体が、金色に輝いていた。
突然のことに、うわっ、と心の中で悲鳴を上げて、目を閉じていた。
薄っすらとまぶたを開いたアサキは、驚きにそのまぶたを、かっと見開いていた。
溶けて消えたはずの、白銀色の服や、黒いスパッツが、復活していたのである。
それだけではない。
いつの間にやら頭上に浮遊していた巨大な塊が、ぱあっとばらけて、胸、腕、足、次々に防具として装着されていく。
先ほど、ヴァイスタに潰されヒビが入っていたすね当てであるが、直っているどころか磨き上げられたかのように綺麗になっていた。
わたし……
また、変身している?
ファームアップが完了した、ということ?
アサキはゆっくりと後ろを振り向いて、追ってくるヴァイスタと向かい合った。
気が付けば、右手
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