その38
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はずもないだろう?チャクラの匂いとやらをどうやって消すんだ。そして、自分の命を狙う里の人間の裏を掻く力を付ける為に、昔からずっとあいつはそいつらを利用し続けていたと、そういう事だ。もっともオレも、それに便乗させてもらっていたけどな。それにこれは、爺さんも昔から承知の事だ。ナルトはそれを知らないがな」
しれっとした表情で、サスケは暗部と里にとって、かなりの問題発言をしているが、間近で見知ったサスケとナルトの力を得る為の貪欲さ具合に、否定できる要素がどこにもなくて、カカシは再び沈黙した。
確かに、サスケの言う通り。
チャクラの『匂い』など、隠蔽するのは不可能だ。
体臭などでさえ、完全に隠しきるのは困難なのに、それがチャクラとなると、完全にお手上げだ。
恐らくは、尾獣と幼い頃から同調しすぎた人柱力であるせいだろう。
ナルトの五感は、忍の物を超えて、尾獣に近いものに育ってしまっているのかもしれなかった。
それに。
ふんわりとした穏やかな佇まいと、基本的におっとりした性格に反して、昔から、本質的に、ナルトはかなりのお転婆娘だった事を思い出す。
無邪気に無茶を無茶と思わず、けろっととんでもないことをあっさりと躊躇いなく実行してしまう。
それこそ、無茶を当たり前のように穏やかに提案して、到底不可能と思える事すら、さらりとこなして、大抵の事はあっさりと実現させていたミナトのように。
勿論、ミナトの行いが全てが実現した訳でもなく、実現しなかった事もある。
その場合の被害は通常の非ではなく、大抵それは、ミナトの性格的なものからくるうっかり等が主な要因として誘発されていた物だったのだけれど。
普段からの、生真面目さと優秀さと穏やかさに、大抵の人間は皆騙されていたが、あの人はけっこうな天然ボケのうっかり者で、かなり鈍臭い一面を持っていた。
やらかした事もその規模も、並大抵の規模ではない。
ミナトの打ち立てた功績の数々の輝きに隠れているが、そのうっかりと鈍臭さは、人として、かなり心配になるLvだ。
それを良く知るカカシの目が、思わず遠のく。
ミナトの妻のクシナだとて、どちらかといえばかなり無鉄砲な行動力のある人間だった。
思い込んだら一直線の。
それも思い出し、遠い目が、更に遠くなる。
これは、既にどうしようもなく、とんでもない事になっているのではあるまいか。
身近で接して、そんな二人にそっくりの内面を備えている事を確信してしまっているナルトを思い出し、カカシは急にとてつもない不安を覚えた。
思わず、サスケに話す予定ではなかった、ナルトへの個人的な懸念の理由が口を吐く。
「……里の中では英雄だなんだと持てはやされて、それに相応しい実力も、頼りがいのある生真面目な人格も備えていたが、ミナト先生は、実は、結構なうっかり者の天然な人でね。ここ一
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