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NARUTO 桃風伝小話集
その38
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、カカシとは違うけれど。
だから、きっと、サスケはオビトのように道を誤らない。
けれど、カカシのように、間違う事があるかもしれない。
そんな懸念が、カカシの口に、らしくない事を吐き出させる。
「忍として必要なのは、他を圧倒する技量と掟の厳守。それだけが大切な物だとかつてのオレは考えていた。同期達がバカ騒ぎしているのを下らない事と決めつけて、そんな暇があれば修行をしていた。任務に必要のない物は、忍には必要ないと思っていたんだ」
そんな風に考えていたカカシを変えたのは、カカシとは正反対のオビトだった。
「そんなオレを変えてくれたのが、お前と同じうちは一族のオビトだった」
カカシの声に何を思うのか、サスケの気配が揺れる。
「うちは、オビト…」
サスケの口から洩れた押し殺した声音からは、何を思ったかは読み取れない。
だが、伝えるべきは、自らの悔恨だ。
カカシは瞑目して慰霊碑と向き直る。
「オビトは、両親が居なくて、婆さんに育てられたせいか、年寄りが困っているのを放っておけないお人好しな奴でね。それでちょくちょく任務前に手を貸していて、それが原因で任務に遅刻して来るまったく忍びらしくない奴だった。常々、火影になるという夢を口にしていて、当時のオレは冷めた目でそれを見ていた。忍として、守るべきものを碌に守り切れぬ奴なんかに、里の忍の全ての命を預かる里の長は務まらない。そう思っていた」
カカシの言葉を、サスケはじっと聞いている。
だからカカシは、そっと大切な物を打ち明けるように本当の気持ちを打ち明けた。
「だが、オビトの仲間を守りたいという気持ちは本物だった。それに、里の笑い者にされていたオレの父を、本当の英雄だとオビトは語った。仲間の命を守った者が蔑みを受けるのはおかしい。そんなおかしい里を、自分が火影になって変えてやるとね。その為に火影になるのだと、オビトはオレに語った。そしてその言葉を証明するかのように、危地にあるオレを救う為に写輪眼を開眼させ、瞬く間に戦況を打開させていった。オレが見捨てかけた、敵に攫われたオレ達のマンセル仲間のリンの事も、オビトは救い出して見せたよ」
「のはら、リンか…」
カカシがあげたリンの名に反応したサスケに、カカシは少し驚いた。
「何故お前がリンの名を…」
思わず振り返り、ばつが悪そうに視線を逸らしたサスケに、なるほどと納得する。
サスケにその名を知らせる相手は、サスケの守りたい相手であるナルトしかいない。
幼くして自分が四代目の子である自覚を持っていたらしいナルトは、忍としての修行にかこつけて、常々、父である四代目の名残も追っていたのだろう。
「そうか。ナルトか」
思わず苦笑を漏らしたカカシは、つい、思った事を口にした。
「お前は、少しオビトに似ている」
「オレが!?」
酷く動揺を見せた
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