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NARUTO 桃風伝小話集
その38
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も確か過ぎて。
そうして。
知ってしまえば、それを飲み込むのにどうしようもなくなって。
知らないならば、知らないままでいた方がいい。
そう思うそんなカカシの感傷を、オビトと同じ強い光を宿すサスケの黒い瞳が打ち破って断言した。
「だからこそナルトはオレの傍に置く。『木の葉』は信用できない。ナルトは『うちは』の人間だ。既に一度認めた事を、無かった事には今更させない」
絶対に、と。
無言で語るサスケのその瞳に籠る意志の力強さに、カカシは何も言えなくなった。
ヒルゼンから、里とサスケについての腹案を明かされているから尚の事だ。
悩んだ末、カカシは直感に賭ける事にした。
「…本当は、お前には、もっと別の話をするつもりだったんだけどね」
それでも、サスケの決意は本物で、サスケもオビトと同じ、何かを守ろうとする為に力を尽くすうちはの人間だから。
守るべきものを守ろうとする、愛情深いうちは一族の。
瞑目して、感傷と感慨を切り捨てて、そうして、目を開いて、サスケを見つめて、カカシの予定になかった、忍としてのサスケへの試金石となる一矢を放った。
「サスケ。ナルトの為に、里の体制を作り直す必要があるとしたら、お前はどうする」
「愚問だな。オレはうちはだ。必要とあれば、障害は全て焼き尽くすまでだ」
即座に返ってきたサスケの答えの過激さに、オビトとの差異を見つけて、サスケの持つ荒々しいまでのその激しさに、かつてのうちはマダラの数々の逸話と懸念が過らないでもないけれど。
「…そうか」
それでもサスケのその答えの底にあるものに、何をおいてもリンを守ろうとしていたオビトと同じものを確かに感じたから。
だから、カカシは、忍としての自分を殺した。
「ならば、聞け」
そうして、全てを当然とばかりに淡々と受け入れたサスケに、火影からの他言無用の極秘任務の概要と目的を、サスケに告げた。
全て、カカシの独断で。
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