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NARUTO 桃風伝小話集
その38
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木の葉の里の現状を鑑みて、うちは一族の血継限界の奥義とも言うべき瞳術である万華鏡写輪眼を波の国で開眼させてしまったサスケの処遇は、中忍試験を目前に、急遽、三代目直々の預かりとなった。
それは、サスケを三代目の直轄とし、根の者からの手出しを控えさせる狙いが一つ。
優秀な人材であるが、里に複雑な思いを抱えているサスケを正しく導く為の狙いが一つ。
何よりも、万華鏡写輪眼を開眼させてしまったサスケの離反を招けば、三度目の九尾襲来の可能性が現実味を帯びてしまう。
ナルト自身の意がそこにあろうとなかろうと、出来てしまうだろう事の方が重視された。
そしておそらくは、何もせずともナルトはサスケの動向に追従する。
里はそう見ている。
そしてそれはカカシの見立てでも変わらない。
サスケは里にとっての脅威となる可能性と、それを為せる力を年若くして手にしてしまった。
そんなサスケを導くには、如何にオビトから譲り受けた写輪眼を左目に持つカカシといえども、力不足である事は否めない。
ましてやサスケは、ナルトを守る為の力を更に欲している。
大切なものを何一つ守り切ることの出来なかったカカシでは、師としてサスケを正しく育て、導く為の指導力が圧倒的に不足しすぎていた。
それに。
どうすれば大事なものを守り切る事ができたのか。
カカシには、今でもそれが、どうしても分からない。
分かっているのは、カカシには、自分の望みを叶える為の力が足りなかった。
その事実だけだ。
だからこそ、カカシには出来なかった事を成し遂げられるかもしれない特別な力を、年若くして手にしたサスケが少し眩しく、そして同時に案じていた。
力と才、そして若さは、容易く驕りと慢心を生んで、大切な物に自ら目隠しをしてしまう。
その代償は、とても重い。
目を覚ます為に引き換えにするのは、守るべき物、守りたいと願ったはずの大事なもの、あるいは、それに類する何かなのかもしれないのだから。
そうして、どこまでも尽きぬ後悔を抱える羽目になる。
今の、カカシのように。
サスケ自身が己の得た力に溺れ、驕り高ぶった結果、見えていたはずの大事なものが手のひらから零れ落ちていたと気付いた時、サスケの傍に守るべき大切な物があるとは限らないのだから。
カカシがいつものように墓地の中央に位置する慰霊碑の前で、失くしたものに対する悔恨と後悔に裏打ちされた物思いに耽り、佇んでいた時。
中忍試験参加決定という状況を見て、呼び出しておいた待ち人の小柄な姿が現れた。
中忍試験推薦時に、サクラの実力に合わせてお前達にはまだ早いと口にはしたが、実力からすれば、サスケとナルトは既に中忍Lvには至っている。
問題なのは精神面だ。
まだまだ粗削りだが、比較的常に冷静で安定しているサスケに比べて、圧倒的に不安で修行不足なのはナ
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