第七話 自由
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・》視する不敬に、白は目を丸くした。
だが、そんな事は些事であると、すぐに白は気付く。当然、それは空も同じだった。
そう?────グシは、ジブリールに不戦勝する際、対価として?────『自分の持つ魔法の知識』を全て共有していた。
それは盟約に従って行われた、絶対遵守の取引であるはず?────ならば、ジブリールがグシの魔法の理屈を知らないという事実は、どう考えても理屈に合わないのだ。
それでも無理やり辻褄を合わせようと思えば、残る可能性はそう多くはない。すなわち?────盟約を出し抜いたという可能性。
そして、それが事実ならば?────?どうやって盟約を出し抜いたのか。それこそジブリールがここまで恐怖する理由であり、最大の謎だった。それこそ、知識欲の塊が興味より先に恐怖するほどの。
当然だ。今まで【十の盟約】は、『盤上の世界』において唯一不可侵、絶対遵守の法則だった?────その縛りが通じないなどと言われれば、空だって白だって恐怖する。
早いが話?────【十の盟約】無視というのは、一方的な暴力が可能になる、【盟約に誓って】しようがゲームのルールに縛られなくなる、ゲームに負けたところで対価を強制されなくなる、ということなのだから。そんなチートコード持ち?────恐怖以外に何を感じればいいのか。
そう、懸念する空達に?────グシは、ある意味では安堵を与える、だが一方でそれ以上の驚愕を与える答えを告げた。
「そりゃ、あの知識譲渡の後に出来た理論だからな。あの時点で持ってない知識なら、与えようがないだろ」
?────盟約は無視してない。ただ、一日未満で魔法理論を発案、そして完成に至っただけだと。
そうのたまったグシに?────ジブリールは、最早度肝どころか魂すら抜かれたような顔をする。
?────盟約を無視していない。それは確かに安堵をもたらす言葉ではあるが────だとしても、グシの行為が規格外である事に変わりはない。
グシが魔法を会得したのはつい最近?────そして、習得直後は魔法ひとつ行使するだけで血反吐を吐くような脆弱ぶりだった。
当然だ。むしろ、人類種でありながら魔法を使うなど?────たとえ代償に命を使ったとしても、それでたったの1度しか魔法が行使出来なくとも、十二分に誇るべき偉業だ。
だというのに、グシはそんな制限付きの魔法では飽き足らず?────天翼種の魔法をすら超える量の精霊を行使する魔法を、ノー
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