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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第11話:今はまだ早すぎる
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違っ!? 櫻井女史っ!?)」
「(だってよく聞こえないんだもの)」
「(ちょちょっ!? 危ないですって)、わぁっ!?」

 突然奏の背後にある角から響、翼、了子の声が聞こえてきたかと思うと、次の瞬間3人が折り重なるようにして廊下に倒れこんだ。その3人の後に続くように弦十郎も姿を現す。

 思っても見なかった3人の登場に、奏が驚愕しながらそちらを見る。

「なっ!? 翼に響ッ!? それに了子さんまでッ!? 3人とも何やって――?!」
「奏、此処は司令室のすぐ近くだぞ」
「はぁっ!?」

 そう、奏は颯人を追う事で頭が一杯になっていたので気付いていなかったが、今2人が居る場所はつい先程まで颯人が了子からの質問攻めに遭っていた場所のすぐ近くなのだ。何時の間にか本部内をぐるっと一周して司令室のすぐ近くにまで戻ってきてしまっていたのである。

 大方モニターか何かで2人の行動を見ていた弦十郎達は、2人がすぐ近くにある休憩所にまで戻ってきた事で彼らを迎えに行こうとして、颯人による奏への告白シーンに出くわしたのだろう。

 弦十郎の発言からそれらを察し、奏の顔がリンゴとかそういうのを通り越して爆発するのではないかと言うくらい赤くなった。

 今にもぶっ倒れそうな奏の様子に、堪らず笑みを浮かべた颯人は徐に奏の片耳に掛かっている髪をかき上げて息を吹きかけた。

「ふぅっ」
「うひゃいっ!? 何すんだいきなりッ!!」
「おぅ、お帰り。いや今にも爆発すんじゃないかってくらい顔赤かったからさ。ちょっと息吹き掛けて火を弱めてやったのよ」
「余計なお世話だッ!? つか颯人、お前翼達見えてたろッ!?」

 未だ頭の中は混乱しているが、それでも僅かに残った冷静な部分がその事に気付かせてくれた。位置的に考えて、颯人からは出羽亀をしている3人の姿が見えていた筈なのだ。

 奏が確信を持って問い掛けると、彼はあっけらかんとした様子で首を縦に振った。

「うん」
「うん、って……何で言わなかったんだよッ!?」
「俺にとっては奏からの返答の方が重要だったからだよ。ところで返答は?」
「んなっ?! し…………知るかッ!?」

 この状況下で尚も奏からの返答を求める颯人に、奏は一瞬言葉に詰まるが次の瞬間には乱暴に話題を打ち切ってその場を離れてしまった。

 結局答えを聞くことも出来ず、離れていく奏の背を見送る颯人。だがそれにしてはその表情には残念とかそう言った思いが感じられず、穏やかな笑みを浮かべながら肩を竦めるだけであった。

「あの、何かごめんなさい」

 せっかくの告白を台無しにしてしまったと思い、同時に目の前で行われた愛の告白に顔を赤らめながらも響は颯人に謝った。もしあそこで響達が姿を現してしまわなければ、きっと奏は
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