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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第11話:今はまだ早すぎる
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える颯人と奏。
ある程度落ち着いた頃、颯人は徐に奏の顔を覗き見て、何を思ったのか満足そうに頷いた。
「ん、いい顔になったな」
「は? 何が?」
「元気になったみたいだって話だよ。折角また会えたってのに、奏何か悩んで元気なさそうだったからさ。こうして昔を思い出させて元気付けてみたって訳」
結果は大成功! と颯人は会心の笑みを浮かべるが、対する奏は颯人の言葉に唖然となっていた。
その表情は彼が何を言っているか理解できていないのではない。
今日ようやく再会したばかりだと言うのに、つい最近抱いた悩みを見抜かれたことに驚いているのだ。
「な、何で? あたし、何も言って…………」
「だ〜か〜ら〜、言っただろ? 奏は顔に出やすいんだって。幾ら久しぶりとは言え見りゃすぐ分かるよ」
そう言って颯人は奏の額を指先で軽く小突いた。今度は特に悪戯を仕掛けている訳ではないようで、小突かれたところを触ってもインクも何も付いていないのが分かった。
「んじゃ、分かったついでに何に悩んでたのかも当ててやろうか? 大方あの響ちゃんって子に関することだろ?」
「えっ!?」
颯人の言う通り、奏は響の事で未だ悩んでいた。負い目を感じていると言ってもいい。
2年前のライブでは自分の力が足りなかったばかりに、響には大怪我をさせた挙句今こうしてノイズとの戦いに巻き込んでしまった。
響の事を仲間として認め、ある程度踏ん切りがついたと思ってはいたのだが、それでも心の奥底ではやはりどうしても気になってしまっていた。
颯人にはそれを見破られてしまったのだ。
「な、何で?」
「そりゃ、昔っから変なところで律儀って言うか責任感が強かった奏の事だもん。大方自分の所為で戦いに巻き込んじまったとか考えて気にしてたんだろ? それくらい分かるよ、幼馴染舐めんな」
幼馴染とは言うが、彼とは数年のブランクがあるのだ。
にもかかわらず、彼は奏の僅かな感情の機微を敏感に感じ取り彼女が悩んでいることを見抜いた。
その事を嬉しいと感じる反面、何故分かったのかと言う疑問が首をもたげる。
そしてつい、奏は彼に何故と問い掛けた。問い掛けてしまった。
「何で、もう長い事会ってなかったのに?」
「何でって、そりゃお前好きな奴の事くらい分かること出来なくてどうするよ?」
「…………へぇっ!?」
そして返ってきたまさかの告白に、奏は一瞬頭が真っ白になった。
幾ら何でも唐突過ぎる。例えるならば、毎日決まった時間に訊ねたその日の夕飯の献立を答えられるレベルで気安く口にされた告白を、奏の脳が処理しきれず混乱する。
だがそこで彼女はふと思い出した。相手はあの颯人だ。手先だけでなく口先も達者な彼が口にする
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